under one umbrella

2006年09月30日(土) 時限爆弾





「寺島と結婚したら、

お義母さんから一生睨まれながら暮らすんだね」



藤原が、笑いながらそう言ったので、
こちらも笑いながらさらりと言った。




「それと引き換えにして、

寺島と一生暮らせるんなら、別に構わないわ」




惨め。
未だにこんなことを言うのが苦ではない。
藤原は感嘆して、すごいね、と言ってくれたけれど、
口に出したくはなかったのだ。





寺島とユミちゃんは、順調に交際を続けている。
結婚の話も出ているし、
寺島は真面目にペアリングを着けているし、
何にも問題はない。




惚気たくなったとき、
喧嘩をしたとき、
ウチに来て解消されるのには、閉口するけどね。
大抵藤原が一緒にいてくれるから、
なんとか怒鳴り出さずに済んでいる。












「ユミと付き合ってね。


“付き合う”ってこういうことなんだ、って、実感してるんだ。


お前には何もしてやれなかったから、


次の男に変な男は嫌だし、


幸せになって欲しい」





そんな、デリカシーゼロのセリフを吐くのも相変わらず。
あなたにはいとも簡単に、
4年間を全否定することが出来るのね。






だから私も、ときたま、
いとも簡単に現実を壊してやりたくなる。
私が、たった一言発すれば、
彼女はあなたから逃げていく。



そんな惨めなことはしたくない。
プライドが許さない。
でも、この次に私を無碍にしたらわからない。
時限爆弾みたいな日々。






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知らずに、
未だに私が自分だけのものだと思ってる彼には、
ちょっとだけ気の毒だけど。





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