under one umbrella

2004年12月19日(日) 「言ってみただけ」


不思議なもので、
パソコンの場所が変わると、何も浮かんでこない。
早く年賀状を仕上げて、
部屋の炬燵の上に戻さないと。





ある夜に、
寺島と、買い物に出掛けた。
あのバイト先への、クリスマスプレゼントを買うため。
理由は、少々長いので割愛。


歩いて30分かかる、店。
歩きながら、笑う。



寺島曰く、
最近のあたしのセリフは、刺々しいらしい。
昔は思い出せないけど、
今に刺があることは十分意識しながら、
「そんなことないよ〜」
と、笑った。
悪意なんて、勿論ないけれど。





寺島と行く雑貨屋は、楽しい。
本屋も、楽しい。
CDショップも、楽しい。


理由なんて、知らない。
そう言ったら、あなたは変な顔したけど。
知ってるほうが、嘘っぽくはないですか?







その夜は、12月に相応しく、
息の白くなる、冷えた夜だった。


コートの中に1枚トップスを着ていただけのあたしは、
軽く風邪を引いたらしく。
帰り道、なんだかおかしかった。


熱はないの、と寺島が見てくれたけど、なかった。
元々出ないし大丈夫、と言ったものの、
少しすると、足がふらついた。







「精神的なものだよ」



と、寺島が言った。




「寂しいのかな。
だって誰も癒してくれないもん」




また刺を出してみる。
笑って流してくれること、前提で。




「 … 
どうやって癒せってんだよっ」




クックッ
あたしが小さく笑う。



「言ってみただけ」









「ねぇ陽ちゃん…
つかまっても、いい?」

袖に。
瞼が重くて、頭がぼんやりしてた。



「いいよ」



つかまらせてもらってから、少しすると、
寺島が、あたしの手を握ってくれた。




「冷たいでしょ。
だから俺じゃ、暖まらないんだよ」


深い意味なんて、探る余裕はなかった。



「大丈夫」


冷たいから気持ちがいいよと、
どうしてそのとき言えなかったんだろう。




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「小さいけど、プレゼント」


お返しは、何にしようか?



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