under one umbrella

2004年04月28日(水) 泣き叫ぶ声を

寺島と縁を切ったのは、4月2日のことだった。
私は大学の入学式だった。

もう随分と、怠惰な関係が続いていた。
同じことの繰り返しだから、書く意味もない。

それでも私はどこかで、寺島に好かれていると思っていた。
少しずつでも私が変われば、またちゃんと付き合ってくれるんじゃないかと。
短所を直せば。
そう思っていた。


入学式から帰ってきた後、会った。
いつになく寺島は、真面目な顔をして、
「けじめをつけよう」
と言った。
でも私は信じなかった。
こんなこと言ってるけど大丈夫、とか。
私がそう言ったときは、つけてくれなかったくせに。とも思っていた。
話は進まなかった。
まだ、次はあると思っていた。

夜に市丸と会って、話した。
「なんだか今日、けじめって言ってたけど。よくわからない」
そう言ったら、市丸が、
「言っていいか?」
と言い出した。
何のことかわからずに、とりあえず「うん」と言った。


↑VOTE.


何であの人なの?
私が、一番とられたくなかったあの人。
寺島を頼りにしているあの人。
寺島の初恋の人に、似ているあの人。

私の涙を、泣き叫ぶ声を、市丸は受けとめてくれた。


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