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荷物の移動も終わり、ひとまず落ち着いた。ここで三ヶ月の仮住まいだが、しかし私は2週間後にまた、新しい赴任地に引っ越さなくてはならないのだった……。めんどくさい。 今まで、家族の一人が出たり入ったりという引っ越しは何度かあったのだけれど、家族丸ごと引っ越しなんてのはもう20年以上したことがなかった。なもんで、いらない荷物が多いの何のって。親子揃って捨てられない性格なので、これから少しずつ整理しなくちゃならない。あああ。
でもって、仮住まい。ハハの知り合いの家が空いているというので、そこに住まわせてもらうことになったんだが、これがまたすさまじい家だった。大正築で4年間空き家だったというその家、はじめて様子を見に行ったときは、クモの巣だらけでお化け屋敷もかくやというほどの、ほとんど廃屋。それを半月かけて甦生してもらい、何とか入居に間に合った。が、もちろん入居しながらあちこち手直しも欠かせない。 金持ちの家だったので平屋で回廊もありとっても広いんだが、使えない部屋がたくさん。そこに、今は使わない荷物を段ボールまま押し込んでいる状態。電話だけは工事してもらって、インターネットにもつなげるようになったが、テレビはノイズだらけで見られたもんじゃない。3月とはいえ北海道はまだ冬、しかし何しろ断熱は大正レベルなので、非常に寒い。トイレはぼっとん(絶対一度はスリッパ落とすぞ)で、しかも電気がついていないため、夜は戸を開けていたさなくてはならない。それでも、ここ数日で、健康で文化的な最低限度の生活にはなってきた。 なんて愚痴ばっかりだけど、慣れればまあ、それなりに風情もあるのかも。テレビだって元々そんなに見ないので不自由しないし。やはり最大のネックは、まだ寒い時期だってことでしょう。これが夏だったら、もっと快適だと思うんだ。風通しはいいし、広いから。インターネットを除けば、昭和30〜40年代の生活レベルって感じでしょうか。家の中の様子も、そんな感じ。 まあ、長期旅行だと思えば、それはそれで楽しいかもな。寒いけどな。
ちなみにちろるは、最初のウチは見たことない場所でおびえてたけど、最近はもう慣れちゃって、探検を楽しんでいるらしい。使ってない部屋に潜り込んで、真っ黒になって帰ってくる。もうすっかりオレのシマになったみたい。
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