ぼんのう
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京王井の頭線の西永福駅前に、募集中テナントが数ヶ月野晒しとなっている。

写真だけ見てもわからないかもしれない。 だが、ここはかつて、名物社長で名をはせた城南電気本店のあったテナントである。数十年前に、故宮路社長が、このような場所に常識を破る電器小売店を出し、一世風靡した。現金仕入、問屋を通さない直接卸しは、今まで素性の怪しかった激安小売流通に革命をもたらし、バッタ屋と低く見られた業界に新しい潮流をもたらした。
しかし城南電気は、このカリスマの死をもって、廃業に追い込まれた。
ここは1つの夢の跡…。 我輩はこの前を通るたびに、死者のうめきにふと、歩みを止める。 そして、何かの偉大な目標を失った業界は、衰退するしかない…という声が必ず聞こえてくる。
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