ぼんのう
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2003年02月05日(水) びーびーしーぷろむす

近くの新星堂で、DVD「The Last Night of the PROMS 2000年」を買った。これよりチビっと古いLD版と音楽のみのCDは持っているけど、これは無かったので買った。
日本ではごく一部の人にしか知られていないこの音楽祭、我輩は非常に好きである。クラシック音楽のコンサートなのに、観客が旗を振ったり、鳴り物を鳴らしたり、一緒に歌ったりできる奇天烈な音楽祭…一度でもいいから、行きたいものである。2000年から、ホール内だけではなく、ロンドン各所でも同時に大スクリーンで放送され、ホール外でも合唱できるという内容になった模様。
このコンサートは毎年行われ、曲目はこれまた毎年同じであるが、有名なのは最後に演奏される「威風堂々」「ルール・ブリタニア!」と国歌…つまり王室の名のもとで、音楽を大英帝国臣民に贈るという内容なので、どうしても愛国的な色彩が強くなる。

…でも、全然それが気にならない。

日本で愛国主義というと、悲壮かつ凶暴な顔つきで国旗を恭しく捧げ持ち、国と天皇に対して、常に重厚にして重苦しい空気を漂わせているが、日本より遥か昔に王室を中心とした国家を築き上げた英国では、愛国主義は明るい、陽気にして健全なものであると感じる事ができる。そこには抑圧的なものはなく、触れてはいけないタブーという束縛もなく、悲壮感もない…あるのは、ごく普通の空気のように存在している、さりげない愛国心の姿である。そこには郷土への愛(パトリシズム)があり、偏屈な民族主義(ナショナリズム)ではない。王室を戴くものの、変な言い方をすれば、王室そのもの(この場合、女王であるが)は、郷土を愛する事を実践する代表者としての存在であり、自らを賛美せよ!…とはこれぽっちも感じる事ができない。


さりげなく、
陽気に、
空気のように、
時の権力ではなく、
郷土を愛することは素晴らしい。


日本人も、明治からある『愛国』の考えのドグマから解放しなければならない時期に来ているかもしれない。


ANDY 山本 |HomePage

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