ぼんのう
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社員が増えてきたので、新しく事務用机や椅子を用意しなければならなくなった。仕事のついでに、東久留米市にある中古オフィス家具屋まで車を飛ばし、値段や在庫を調べに行く。
中古オフィス家具に行くと、つくづく世情を感じてしまう。 こういう所に置いてある在庫は、会社が新しい家具をそろえるということで売ったものか、会社の倒産品のどちらかである。 家具に社名と品番、破棄に関しての日付がある場合は前者で大抵ボロだが、異様に綺麗な家具に関しては殆ど後者だと聞いたことがある。
・・・ 殆ど後者の家具ばかりのような気がするな・・・。
特にパソコンをメインに使うためにあるオフィス机の在庫が異様に多い。 大抵それらの家具は異様に大きく(それだけ広い事務所を構えていた)、デザインばかりが凝っているのに実用性に乏しく(株主への“見せ”として、かっこいい事務所に入れていたんだろうな)、新品同様であったりする。
・・・ ひどい虚無感が、ここにある。 えもいわれぬ恐怖を感じる。 この広い倉庫に積上げられているのは、騙して騙される大いなる虚業の墓碑の数々なのかもしれない。
それにしても、なんという暗さだろうか? 気分が重い。 身体も重い。 なんだ? 泣き声が聞こえる? それも下の方からだ・・・ 何かの亡霊が我輩に飛び掛ってきたというのか? なんということか! 早くここから逃げ・・・
ぐうううう
・・・単に腹が減っていただけであった。 このネタ、以前にも使ったことがあるような気がするぞ。
大体の値段を調べ、車で帰宅しようとすると、途中で目に入ってきたのは
焼肉
しかも
馬車道
迷いも無く、駐車場に入る14年選手のフェスティバ。
入り注文する! しかしここに大いなる誤算!
袴姿じゃない!
おお!ジーザス! あれは夕食だけの時間サービスだというのか?
「いえ、うちは『馬車道』系列ですが、お安くご提供する店でして、袴ではございません。」
にっこり説明する作務衣姿のウェイトレス。 33の独身男の怪しい質問に、その天使のような微笑みは我輩の心を突き刺して、ハツみたいにジュージューと音を立てている。 ワケのわからない文章が続いているが、ここは「馬車道」の中の格安店で、「すかいらーく」の「ガスト」にあたるような店らしく、そのためコストも色々抑えているらしい。 袴も考えてみたら、洗濯代もかかるだろうしな・・・。
軽い敗北感を味わい、帰宅する。 仕事やる気、のーなっしんぐ。
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