tdd diary

2008年06月11日(水) away from you

仕事後、レディースデーで映画「アウェイ・フロム・ハー」を観に。原作の本をこのあと読むつもりなので、読んだらまた印象が変わるかもだけど、20代の女性がどんなに好きなストーリーだったとしても、この話を自分の初監督作品として映像化したいとまず思ったこと自体が、まずサラ・ポーリーという人がいかに成熟した女性かということを表わしているように思う。原作があるにせよ、自分が初めて映画を作って世に出そうというとき、もし私だったら同世代かそれよりも若い世代を描こうとするんじゃないかと思う。自分で見て感じてきたものにこそ説得力を持たせられると思うからで、自分よりもずっと上の世代の夫婦の心の動きを題材にできるような器ではないことが、本編の中から感じ取られることが怖くなるだろうと思うからです。脚本だけでどうという映画ではなくて、キャスティングとか風景の挟み方とかで全体が揺れ動くように出来上がっていて、それはそのまま夫婦の心の動きと寄り添っているようないい作品だった。



どんなに年齢を重ねても、どこかに辿り着けるわけではなくて、生きている限り人の心は動き続けていくと考えると、いい時もつらい時も全部が流れの途中の出来事のように思ったり。今自分が立っているところがどうしようもなく止まってしまっているいるように思えても、それも含んだ流れの中のことなのかも。あっという間に20年も30年も過ぎて、今の自分を振り返って思い出したりするのかも。


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hatori [mail]