去年あたりにフリオ・リャマサーレスというスペインの作家の「黄色い雨」という小説を図書館で借りて読み、あまりに内容が暗くてしばらく落ち込んだほどだった。落ち込むくらい暗いのだけど、読んでいる文字が映像になって頭の中に映し出されるような本だった。救いようがなく孤独で悲しい話なのに、映像にしたらどんなに綺麗なことだろうと思いながら読んでいた。もともとは詩人だったという人でこの「黄色い雨」は2作目だそうだ。

で、最近本屋でデビュー作という本が出ていた。「狼たちの月」という本で、スペイン内戦で反乱軍から追われて逃げ続ける兵士たちの話だという。スペイン内戦に、逃げる兵士、ってだけでもう「パンズ・ラビリンス」のあの怖い人がちらちらとしてきます。でも読みたい。でも読んだら落ち込むに違いない。暗くて悲しいうえに今度はかなり怖いに違いない。冬が終わったら読めばそんなに落ち込まないかも。
|