そういえばこの前、狂言の世界を観た帰り、コミュニティホールの横が図書館なので、ついでにまた2冊本を借りた。そのうちの1冊の「本という不思議」(長田 弘、みすず書房)を今日の朝、通勤電車の中で読んでいたら、「国立図書館」て言葉が「図立図書館」と書かれており、誤字がなおされないまま印刷されている。そこに、誰だか分からない私よりも前にこの本を借りた誰かが、鉛筆で「国」と正しているのを見つけた。私はこの本を、そこまで読んだ感じで特に面白いとは思っていなかったので、もし何も書かれていなかったとして、この誤字に気づいても「ああ、国立図書館てこと」くらいに流して鉛筆で訂正するようなことはしなかったと思うけど、これを書き込んだ人はきっと、この本か、もしくは詩人としての長田 弘さんか、もしくは単純に本を愛する著者の心意気に、何か思うところあって書き込んだのかしらと思いを巡らせたりします。それかめったに見かけない誤字を見つけて得意になってるだけかも。でも、「図」という誤字に斜線や×を入れたりしないで、つつーっと線が伸びて、一文字だけ「国」って書いてあるのが、とても好ましい感じがして、きっとこれを書いた人はこの本を気に入っていたことだろうなあと思ったら、なんでか自分までこの本に不思議な愛着が生まれるようでした。

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