いつもの日記

2009年09月11日(金) 12 有楽町駅までの道

菅野達は店を出て有楽町駅までの道を歩きはじめた。山下はツタヤで借りたDVDがあるからそれを菅野の部屋で見ようといつものように言った。菅野はそれに対しうなづきもせず、来週佐恵子の結婚式があり披露宴に呼ばれていると言った。そして、その話の流れで「結婚ってどう思う。必要だと思う?」と山下に尋ねた。

山下はうーんと唸り頭を揺らして考えていた。2人は無言のまま暫く歩いた。

客観的にみると菅野が山下を試しているようにも見えるが、それがいつもの2人だけのコミュニケーションだった。菅野は山下が十分に考えて話すことを知っていたしそれをさせてあげたいとも思っていたからだ。

そして山下は前方上方を見ながら
「やっぱ、いつもお前が言ってるように俺は結婚という形には拘らないけどな。一緒に居たいから居るでそれで終了じゃない?」
と言った。

「そうだよね。私もその考えだから何で結婚なんてするんだろう?って思っちゃうんだよね」
と言って菅野は山下の横顔を見た。

山下の横顔には表情がなかった。

結婚という話題に興味がないし特に反応しなればならない話題でも無いと考えているように見えた。ただ表情がないことからそれだけ真剣にその物事に対し考えているという捉え方もできた。要は菅野は結局のところ山下の本音を掴めずにいた。それは掴もうとして掴めないのではなく本音が解らないことに課題感がないだけだった。菅野はそれだけ自分は自分で他人は他人だと割り切った考え方のできる女だった。


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