弁護士の素顔 写真,ギャラリー 小説,文学,司法試験合格体験記 法律関係リンク集 掲示板


2004年05月21日(金) ニューオーリンズ旅行記(2):ブレナンズで朝食を


オークアレイ・プランテーションにて

昨晩の約束どおり、早起きしてBrennan’sで友人たちと朝食を取ることにする。Brennan’sは、1946年創業のクレオールとフレンチのレストランである。故ブレナン氏は、全米的に有名な料理人で、このレストランが発祥となった料理は数多い。そのひとつが、半分に切ったバナナにブラウンシュガーを加えバナナリキュールでフランベしたバナナ・フォスターである。

サーブしてくれるウエイターの対応が非常に親身で良い。運転する予定があるので、アイ・オープナー(目覚めの一杯)は取らず、サザンブレックファストのセットメニューのみ。デザートとしてバナナ・フォスターを選択。観光客にありがちなチョイスであるが、事実観光客なのだから仕方がない。

料理、サービスともに素晴らしい。アメリカの料理は一般に不味いが、ニューオーリンズは例外である、と誰もが言う。アメリカでもっとも料理の美味しい場所であるという評判に間違いはなかったと実感。バナナ・フォスターは、目の前で調理を実演してくれる。フランベされると青い炎がたち、香ばしい匂いがあたりに漂う。


Bananas Forester

充実した気分で店を出る。実際、満腹になり、夜まで全く空腹を感じなかった。

その後、レンタカーを手配し、リバーロード沿いにミシシッピ川を遡る。プランテーションをいくつか回るためだ。リバーロードに降りてしまうと交通量は少なく、曲がりくねる道を快適に走る。

リバーロード沿いに最初に目に付いたLa Blancheというプランテーションに入ろうとするも、Privateなプランテーションなので、事前の許可がないとだめと言われてあきらめる。友人が受付と話をしているうちに猫が一匹出てきて、いきなり甘え始めるので、少し遊んでやる。



次に、フレンチ・クオーターから最も近い(といっても一時間くらいはかかる)公開されているプランテーションであるデストレハンへ。受付を済ませると、まず20分ほどプランテーションの歴史を解説したビデオを見せられる。その後、ガイドの女性がサザンベルという当時の衣装を着て現れる。かなりしっかりとした教育的配慮に満ちたガイドツアーで、1時間半くらいは時間を取られるのを覚悟して行かれたほうが良い。





***

リバーロードを遡っていくと、周りに何もない場所に裁判所と鄙びた感じの商店があるのが目に付いたので車を止めてみる。裁判所では、ちょうど出てきた女性の弁護士に色々話をうかがう。この女性の英語は、南部訛りはあるもののまだ聞きやすいほうだった。それでも、我々3人とも意思疎通が難しく感じられたことには変わりない。



ニューオーリンズに来て驚いたのは、本当にこちらの英語が通じない(あるいは言っていることが判らない)ということだ。私のスピーキング/リスニング能力の問題もあろうが、友人たちも同様に感じたということは、南部の訛りがよほど聞きにくいものなのだろう。なにしろ、ニューオーリンズが「ノーリン」という発音になってしまうくらいだ。その弁護士は、辛抱強く色々親切に説明してくれ、帰りの道はここではなく別ルートの方が早いということまで教えられる。意外だったのは、フレンチ・クオーターのホテルに泊まっていると話したとき、「フレンチ・クオーターは本当に危険な場所だから、くれぐれも気をつけて」と何度も言われたことだった。

***

その後、本日の目玉であるオークアレイというプランテーションへ。ここは、名の通り、巨大なオーク(樫)の木の並木のある小道が有名である。ここでもサザンベルを着た年配の女性がガイドしてくれる。

オークの並木の小道は独特の様式の建物に続いている。バルコニーが広いのは、陽射しを遮り、室内を涼しく保つためらしい。ベンチでくつろぐ。結婚式の予行演習をしているらしく、ウェディングドレスを着た女性がポーズをつけてもらっている。




オークの木陰で遊ぶ少女

***

帰りは、例の女性弁護士に教えられた道を行ってみる。どこまでも続く一本道に、ところどころ車に轢かれたwild kill(野生動物の死骸)が落ちている。ほとんどはラクーンのようだが、中には小型のアリゲーターらしき死骸もあった。

バトンルージュ方面から市内に到る道は、かなりわかりにくい。アメリカの道路を走っていていつも思うのは、標識が極めて不親切ということだ。いくら地図を頭に入れていたとしても、標識を見ると混乱する。一見すると矛盾するような/ミスリーディングな標識も多い。散々迷って、何とかフレンチ・クオーターへ戻る。既にAvisの営業時間は過ぎており、車の返却は明日にすることに決める。

***



夕食は、昨日予約を入れておいたNOLAへ。NOLAという名前は、New Orleans Louisianaを意味する。ここは、アメリカの料理番組で頻繁に出場するカリスマシェフ、Emerilの店で、料理はヌーベル・クレオールというジャンルであるとのこと。サーバの女性は非常に気さくで、料理の紹介も楽しめた。



Sea Scallopのappetizerが最高。ソースが深い味で、一口食べて未体験ゾーンにいきなり連れ込まれたような感じがした。一皿の料理に傾向の異なる2種類のソースをさりげなく使ってあって、そのひとつはフルーツベースなのにケイジャンスパイス入りというもの。それぞれの味が絶妙に調和していて、喧嘩してないのが不思議だ。カリスマシェフの店であるにもかかわらず、値段もリーズナブルだし、サービスも行き届いているし、完全に虜になった。

(追記)帰宅してから、フィラデルフィアにもNOLAという店があることを発見。ここもケイジャン料理を標榜しているが、よく見るとクレオール&イタリアンと書いてあるので、全く別の店であると思われる。

My追加








[MAIL] [HOMEPAGE]