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2004年05月12日(水) 西海岸旅行記:モニュメント・ヴァレー/砂嵐によりデジカメ故障


(前日からの続き)
砂嵐の影響で、ホテルのロビーも砂っぽい。乾燥した砂の摩擦により、空気が帯電しやすくなっているらしく、金属に触れると必ず静電気を感じる。砂嵐の中、好奇心からデジカメを持って外に出てみる。もちろん、コンタクトを外し、濡らしたハンドタオルを持って。



日暮れ近くなって、ガイドから連絡が入る。どうやら砂嵐が収まってきたので、今から急いで行きましょうとのこと。愛用のデジカメだけをとりあえず持って出かける。

どこまでも一直線に続く道路を走る。日暮れが迫る。現地に着くと、砂嵐など影も形もない。車で悪路を通り、日暮れと競争するように進む。モニュメント・ヴァレーは煙草のマルボロのTVコマーシャルで有名であるが、もとはといえばジョン・フォード監督が「駅馬車」を撮影した場所として有名になった場所である。今や、アメリカ西部を代表する光景のひとつとなっている。そのジョン・フォードが愛したというポイント、ジョン・フォード・ポイントでついに日が暮れてしまった。





透き通った風が心地よい。不思議なほどの静寂があたりを包んでいる。見渡す限り、我々以外には誰も居ない荒野だ。

再びKayentaの街に戻る。この街は数年前までは何もない街で、数年前に街で初めての信号が設置された。そのとき、ナバホの人々が集まって、伝統的な衣装に身を包み、「信号ができたお祭り」をしたそうだ。遠くに住んでいるナバホの人々も集まってきて、それは盛大な祭りであったとのこと。

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翌朝、モニュメント・ヴァレーの日の出を見る。夏だというのにかなり寒い。残念ながら、太陽の方角が少し曇っている。

撮影のためカメラを取り出して電源を入れるが、電源が入っていることを示すLEDは点灯するものの液晶画面が正常に表示されない。それでも何とか撮影だけはできるだろうと思ってシャッターを切るも、作動しない。どうやら砂嵐はここにも深刻な影響を残したようだ。液晶部分だけでなく、本体も完全に動作しない。しばらく試した後、回復が不可能なことを悟る。

3年近く愛用したデジタルカメラ(Exilim S-1)が壊れたことはかなりのショックだった。念のため、もう一台Exilim S-3という比較的新しいカメラを持ってきているが、こちらのカメラは、レンズが暗く、シャッター速度が遅いため、手ぶれしやすい。そのため、夜間撮影に適さず、撮影場面が限定される。画素数が2倍以上多いにもかかわらずほとんど使っていないのはそのためである。思えば、S-1は画素数が1.2メガピクセルしかない初代の古いモデルではあるが、色彩、レンズの明るさ、立ち上がりの早さ、携帯性の高さ、バッテリの持ち、のいずれの要素も満たす、素晴らしいカメラだった。旅先で頻繁に人から聞かれたのが、「そのクールなカメラはどこの製品か」「どこで、いくらで買えるのか」ということだった。そのたびにこれは日本のカシオというMakeで今買うと200ドルくらいだ、と胸を張って答えていた。日本のメーカーの高性能な製品を、自信を持って薦められるのは、日本人として誇らしかった。様々な想い出が頭の中で渦を巻く。





愛用のカメラ故障のショックもあって、日の出の写真はそれほど美しく撮影できなかった。この後撮影した写真が、いずれもあまりピンと来ないのは、そのためである。如何に自分がカメラの性能に依存していたかが判った出来事だった。

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El Tovarフロント付近

その後、そのままグランド・キャニオン国立公園へ。グランド・キャニオンは二回目ということもあって関心も薄く、割愛。名ホテルと言われるエル・トバルに立ち寄ったことと、コンドルが飛行する雄姿を目撃したことが印象に残るのみ。



グランド・キャニオンを楽しむなら、2、3泊はして谷底トレッキングをするべきだと思う。今回は日程の都合上、そこまではできなかったが、いつかやってみたい。

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帰り道にルート66の名所、セリグマンに立ち寄る。ルート66はアメリカの古いTVドラマで有名な場所だ。年に一度、この街でクラシック・カー愛好家によるパレードが行われるというが、普段は静かな場所である。静かというより、むしろ寂れているというべきかもしれない。以前は床屋だったみやげ物屋に立ち寄る。



この寂れた雰囲気は味わいがある。観光客も我々以外誰もいない。





911以降、急速にここを訪れる観光客は減少しているとのこと。女主人がほぼ完璧な発音の日本語で挨拶をしてくれるところを見ると、以前は日本人観光客が多かったのだろう。床屋だった部屋の壁一面にここを訪れた人々のビジネスカードが貼ってあるが、日本人と思しき名刺が結構あった。



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帰りの車の中で、ラスベガスの観光ビジネスの現状と未来についてガイドと雑談する。ナバホのピクトグラフ(絵文字)や岩絵に興味を持ったので聞いてみる。これは、NYCで現代美術史を研究する友人が、ナバホの砂絵に関心を示していたことに影響を受けたためもあるが、ザイオンのビジターセンターで原始的で力強い絵に惹かれて購入したRock Artsという本に、いくつもの魅力的な岩絵が載っていたことによるところが大きい。ガイドによると、ラスベガスからほど近いValley of Fire州立公園で、Rock Artを多数見ることができるとのこと。明日、早速行ってみることを決意する。


帰途の車窓より

ラスベガスに戻り、ホテルにチェックインする際、携帯電話に着信があることに気づく。ちょうど同じ時期に、ラスベガスに来ている友人からだった。明日Valley of FireにRock Artsを見に行くことを話すと、特に明日はプランが無いとのこと。私の運転するレンタカーに同乗することに。少しカシノに行ってスロットマシンをするが、あまり勝てそうにないので、早々に切り上げる。明朝も早い。
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