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2004年05月03日(月) 西海岸旅行記:ゼファー号2日目/ロッキー山脈越え

6時30分に目を覚ました。朝食の時間は6時から6時半と、7時ころから8時30分ころに設定されている。食堂車に向かうが、10分遅かったね、と給仕に言われ、客室に引き返す。ベッドを直したり、荷物の整理をしたりしているうちに、コロラド州デンバーに到着。少し早く着いたようで、1時間ほど停車した。ここからは、この旅のクライマックスと言われるロッキー山脈越えだ。



デンバーを出発したあたりで食事をすることにする。食事を取っているうちにロッキー山脈に差し掛かり、列車が急角度で曲がるようになってくる。素晴らしい眺め。残念なことに食事の時間が終わってしまったので、ラウンジに行くも、既に満席。客室に戻る。コーヒーを飲みながら、何度もシャッターを切る。遠くには雪の残る高峰、近くにも時折残雪。そして渓流。赤い岩肌。テン・カーブと言われる急角度のカーブをいくつも曲がる。テン・カーブとは、鉄道の規格で列車の通過できる最大の角度のカーブを指すようだ。右に、左に、減速して曲がる。そのたびに列車の先頭と最後尾が見える。



アナウンスが流れる。「列車は、これからまもなくモフットトンネルを通過します。この鉄道トンネルは、今回の行程で最長のトンネルで、通過するのに約6分間掛かります。客室内は完全に暗くなりますので、トンネルに入ってパニックにならないように、今のうちに室内灯を点灯させておいてください。このトンネルを抜けるとWinter Parkに停車します。」

確かに長いトンネルだ。モフットというのはデンバーの実業家で、このルートを開拓した人物のようだ。車掌の解説によると、このトンネルができるまでは、さらに細かいカーブを経て山を越えるルートしかなかったようである。トンネルを抜けると予告どおりWinter Parkという安直なネーミングの駅に停車する。冬はスキーリゾートになるようで、ゲレンデにはまだ雪がかなり残っている。古びた木製のジャンプ台が雪の衣装を剥ぎ取られて物哀しい。



しばらくは山の中の光景。コーヒーを飲みつつ、写真撮影に没頭。残念ながら、窓の外側は雨風にさらされているためか、透明度が高くない。窓を開けることも出来ない。素晴らしい景観に出会うたび、窓が開けられたなら、と何度思ったことか。

***

Granbyというプラットホームだけの駅で一人降りる乗客があり、停車する。降りられるかとアテンダントと車掌に聞くが、ここは正式な駅ではなくすぐ発車するので降りられないとの返事。次はGlennwood Springsという駅なので、そこでは降りることができるとのことであった。総じてアテンダントは親切で、サービスは行き届いている。



午後Glennwood Springに到着。そこからしばらくは緑の牧草地帯が続く。いくつかの小さな街と多くの牧場や、かつて牧場であった土地を通り過ぎる。Grand Junctionのあたりで、あたりの景色が変わってくる。赤い岩肌の峡谷が姿を現す。地図をチェックすると、ちょうどアーチーズ国立公園の端のあたりのようだ。コロラド川の峡谷であることがわかる。Glennwood Canyonという名前がついている。何層にもわたって断崖が展開する景観は素晴らしい。列車からこんな光景を眺めることができるとは思ってもみなかった。







しばらくはコロラド川の浸食によってできた赤い岩肌の峡谷が続く。川ではオレンジ色のボートでラフティングをしているのが見える。

徐々に峡谷の光景は去り、車窓の反対側に白いなだらかな小山の連続が見えるようになってくる。地面は乾燥しきっており、ところどころに白い塩の結晶のようなものが見え始める。




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やがて砂漠の夕暮れ。実に素晴らしい。

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