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2004年01月13日(火) 留学日記:Spring Semester授業開始


授業開始。

Tyson教授のSecurities Regulation(証券取引法)の授業。このロースクールの名物授業のひとつであるが、この教授は、容赦なく学生を当て、答えられないと意地悪い質問を続けたり、一名の脱落者も許さないなど厳しいことで知られる。また、100名近い学生の全ての名前と顔を覚えるという異才でも知られる名物教授である。だが、私のような証券関係も多く扱うビジネスローヤーが、この授業を履修せずして何を学ぶというのか。厳しいことは覚悟の上で、登録。

最初の授業でいきなり当てられる。なぜか、教授の著書の日本語訳と英訳を読まされる。冗談の絶えない楽しい授業ではあるが、これはまだ小手調べのような印象。木曜からが本番だ。

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もうひとつの目玉は、Wagner助教授のIntroduction to IP。Introductionと名づけられているものの、実際には、非常に高度でカッティングエッジな内容を、しかも広汎に扱うとあらかじめ宣言されている。授業の前に、立ち上げたWeblogを読んで来い、との指示が回っていた。そこに、授業で扱う内容の前提となる情報が集約されている。iTunesのDRMがクラックされた話題や、CleanFlicksというDVDのタイムテーブルのみを加工して暴力シーンやきわどいシーンを削除した編集済みバージョンとして売るビジネスに対するlitigationの話題が出されている。

授業に出て周りを見渡すと、1L選択科目とされているだけあって、ほとんどがJDのようだ。LLMの見知った顔は数えるほどしかいない。授業が始まると、いきなりマシンガンのように早口の議論が飛び交う。1Lの気合いの入り方はやはり違う、と圧倒される。(注)

さらにすごいのは、Blogを授業に取り入れて、そこへの投稿も授業への参加として加点するという仕組みをとっていることである。これは本当に面白い試みだ。早速TypePadのauthorとして登録してBlogを見てみると、1Lと思しき学生による長文投稿がすでになされている。いやはや。

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というわけで、嵐のような春学期が開始された。したがって、今後の更新頻度はやや落ちると思われる。ご承諾いただきたく。

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(注)1Lとは、ロースクールのJ.D.一年目の学生を指す。ここでの一年目の成績が今後の自分の進路を決定付けてしまうので、半端でない努力をし、能力のアピールを行う。Wall Streetの一流ローファームや、裁判所のクラークなどのエリートを目指すJDは、ここで認められないと一生の計画が狂ってしまうので、必死だ。また、実際にも優秀な学生が多い。

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