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2003年06月27日(金) パリ留学日記:Conseil d'Etat/ランボーのApartment


昨日に引き続き、今日も見学が予定されている。今日は、Conseil d'Etatへ。Conseil d'Etatの判事が講義をしてくれるという貴重な機会である。見学する場所はわずかであり、殆どは講義と質疑応答で時間が費やされる。


Conseil d'Etat

その後、数人で連れ立って、ルーブルの中庭が見渡せるcafeに入る。実にのんびりした時間が流れる。奇妙な話だが、Parisに来てようやく時間の流れが普通の状態に戻ったようだ。東京にいるときはわが身を振り返る余裕など持てなかった。消耗し擦り切れていた何かが、ようやく少しずつ、ほんのわずかずつ回復の方向へ向かい始めたような気がする。

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友人と別れて、ランボーが住んだというRue de Buciのアパルトマンを探しに向かう。

ランボーの故郷であるシャルルヴィルには、当初から足を伸ばすつもりでいたが、Parisでの彼の住処を探すことは、予定にはなかった。これは偶然の積み重ねによるものである。今借りているアパルトマンの大家が、ソルボンヌの音楽史の教授なのだが、私が学生時代にArthur Rimbaudを研究していたと話すと、貴重な良い本があると言って或る書物を貸してくれたのだ。その本"Album Rimbaud"(Bibliotheque de la Pleiade)に、このBuciのアパルトマンの古い写真が載っていた。そこで、パッサージュ巡りを兼ねて探してみることにしたのだ。

ドゥ・マゴの脇を通って小道を巡る。10分ほど歩いて、ようやく発見。現在は市場があり果物が山積みになっている。果物を買いすぎて迎えに来てくれと携帯で話している女性がいたりして、ほほえましい。



残念ながら、当時の面影は残っていない。そこがランボーの住居であったことを示すプレートも残されていない。しかし、Buci通り10番地とあるので間違いはないであろう。かつてはテオドール・ド・バンヴィルがこの住処を世話したとAlbum Rimbaudにはある。現在は美容室が地上階に入っているようだ。その窓からは何が見えたのだろうか。

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明日は、ロワールへ小旅行の予定。朝早いので、さすがにもう寝なければ。








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