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2003年05月28日(水) 神楽坂・うを徳

近くに住んでいたにもかかわらず、神楽坂の料亭に行った事がなかったため、同期の友人3名と神楽坂にある「うを徳」で会食。もちろん接待などではなく、自腹である。

「うを徳」は、文豪泉鏡花が好んで通った店である。もともと泉鏡花は、尾崎紅葉に、行き倒れ寸前のところを拾われて弟子入りし、神楽坂の売れない芸者といい仲になり、神楽河岸に面した通りの裏側のあたりに同棲していた。尾崎紅葉には、文学を真剣にやるのであれば、女と別れるようにと説教され、表向きは別れたが、伊豆の方にその芸者をかくまったということが伝えられている。

「それ此の辺り、築土の雪、赤城の花、若宮の月、目白の鐘、神楽坂から見附の晴嵐、縁日あるきの裾模様、左褄の緋縮緬、更けては夜の雨となる」(泉鏡花「魚徳開店披露」より)

今も残る地名の数々が、名文にのせて語られる。さらに活気があったころの神楽坂をしのばせる。

さて、同時期に留学に出る事務所の同期、他の4大渉外事務所の同期の友人、官庁出向組の同期がそれぞれのゴシップを持ち寄ると絶好の酒の肴が出来上がる。それぞれ、仕事にはこだわりがあるので、今後、日本の法律事務所がどうなっていくのかという話の種は尽きない。

肝心の料理は、最初はやや控えめかと心配したが、魚はさすがに絶品であった。一人あたり、25,000円程度。この類の店としてはリーズナブルであろう。


"uotoku_kagurazaka"








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