弁護士の素顔 写真,ギャラリー 小説,文学,司法試験合格体験記 法律関係リンク集 掲示板


2003年04月20日(日) 西麻布 La Réserve


少々前のことになるが、記憶に新しいうちに書き留めておく。

その日は早めに仕事を切り上げ、修習生との会食で西麻布のレストラン"La Réserve"へ。秘書のチョイスなので、私は、そこがヒラマツ系のレストランであるというほか、まったく前提知識のないまま着席することとなった。

一つしかないというコースの料理が順に運ばれてくる。フォアグラのシャーベットという、メニューの字面からは想像もつかない前菜から始まり、馴染みの素材が考えたこともなかった方法で調理されている。そのいずれも創意工夫が施されている。中でも、軽く火を通したサーモンに各種の香草や柑橘類を取り混ぜて細かく刻んだものを乗せ、上から熱いスープをかけるという料理は、スープが注がれた瞬間に広がる香りの渦が絶妙で、強く印象に残った。(後で聞くと、「サーモンのミ・キュイ 香りのアルペジオ」という名前がついているとのこと。)サーモンの身がやわらかく、甘い。そのほかの料理も野菜を中心とした構成で、素直に胃に染み透る。久しぶりに、美味しいという言葉が口をついて出る。

個室のテーブルについた従業員が、押し付けがましくない配慮をしつつ、色々解説してくれた。知ったかぶりの会話(所詮、底が浅いのでスノッブにもなれないのである)をし、行ったことのあるヒラマツ系の他のレストランの話などをする。

デザートも三品付いてコースの一部を構成しており、それだけでも私のようなデザート好きの人間にはかなり嬉しいところなのだが、これがまた凝っている。3本の短い試験管のような食器に満たされた3色の液体が出てくる。それぞれ、ポンカン、グレープフルーツ、オレンジのムースのようなものである。ムースの表面に満たされた白いクリームを頂いてから、試験管を持ってジュースのようにぐっと飲むようにと誘導される。適切な指示がなければ、どう食べたらよいのかも見当が付かない。このような食器が他の用途に用いられるとは思えないから、おそらくは特注の専用の食器なのであろうと思われる。また、広尾のCafé des Prèsで出されるのとよく似た熱々のタルトタタンが出されて、美味しく頂く。

美味しい料理を前にして、修習生との会話も弾む。その後、副支配人とシェフが出てきて挨拶される。美味しい料理に礼をいい、他の階を見せてもらう。凝った内装の最上階の席に案内してもらい、偶々携行していたデジカメで写真を撮らせてもらう。シェフ夫妻や副支配人と名刺を交換し、退去した。コースのメニューは定期的に入れ替えるそうだ。留学前にもう一度訪問したいと思わせる店だった。


"La Réserve_0304"








[MAIL] [HOMEPAGE]