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2003年04月02日(水) たまには仕事の話を(第4回)


昨日の続きです。今日は、仕事で使う言語について。

2. 英語について

外国のクライアントとのやり取りをする機会は多いので、渉外弁護士(*注)にとって、英語は必須です。ただし、事務所に在籍している弁護士がいわゆる帰国の方ばかりかと言うと、そんなことはありません。むしろ帰国の割合は少ないです。(これは事務所によっても異なると思います。)私も日本生まれの日本育ちですし、英語の能力は高くありません。

とはいえ、日常的に英語を使わざるを得ませんので、英語を使うのが大嫌いという方は、かなり辛いかもしれません。私自身の場合、扱うドキュメントの約半分くらいが英語です。英語でメールを書かない日はほとんどありません。英語を使う場面は、メールなどのCorres、会議、契約書のドキュメンテーション、リーガルオピニオン(法律意見書)やメモランダムの作成、などが主たるものです。いわゆる法律英語も使うので(揶揄的にlegaleseと呼ばれることもある)、語彙はちょっと特殊ではあります。

ちなみに、英語以外の外国語を使うことはほとんどありません。私は仏文科出身ですが、フランス語が必要とされたケースは弁護士になって以来の4年間でわずか二回、それも大して時間の係るものではありませんでした。

なお、渉外案件を取り扱う渉外弁護士の法律事務所と一口に言っても、外国のクライアントの割合に応じて、英語を使う頻度が異なります。渉外を扱う事務所の中でも、部門によっては全く英語を使わないところもあると聞いています。

次回は、独立と事務所の大規模化について思うところを書いてみます。


*注)「渉外弁護士」の定義は、特に決まったものがあるわけではありません。日本の司法試験に合格して司法修習を経て弁護士登録した者で、海外の企業の取引案件や外資系企業が絡む企業再編、その他企業を巡る法律問題について取り扱う弁護士を指していうこともあります。ここでは、100名を超えるような大規模な法律事務所で、渉外案件を取り扱う事務所に所属している勤務弁護士(アソシエイト)の視点から書いています。







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