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2002年01月23日(水) 渉外法律事務所のリクルート風景


早いもので、もう弁護士登録してからこの4月で満3年となる。すでに56期の修習予定者のリクルートが始まっているので、彼らとは5期の差があることになる。もはや若手とはいえないということか。そういえば、芥川賞を取った長嶋有が29歳で若手と称されていないことを思い出した。

ところで、修習予定者の方がこのページに来られることも多くなってきているように思うので、興味のありそうなことを書いてみようと思う。

それは、修習予定者、司法修習生の就職活動についてである。

リクルート活動の一環として修習に入る前から事務所説明会を行ったり事務所訪問を受け付けるようになったのは、昨年あたりからである。ある渉外事務所で取りたがるような良い人材は、他の事務所でも欲しがるような状況で、一部の修習生にオファーが殺到する事態がすでにここ何年かで起きている(らしい)。渉外事務所と呼ばれる法律事務所の中でも、弁護士数が50名を超えるような事務所は、事務所の順調な規模拡大のためにもリクルートが極めて重要であるとはいえ、ここまでの過熱ぶりは常軌を逸した感がある。しかも、売り手市場ではなく、買い手市場での過熱である。

修習前に事務所訪問を行う方は、多くの場合、東京の大学に通う東京在住の方で、その意味でも地方在住の渉外希望の方はすでに出遅れているのかもしれない、とあせるかもしれないが、徒に焦燥感を抱く必要はないと思う。実際、修習生の大半は研修所に入ってから事務所訪問を始めるのであるし、リクルート活動自体は修習開始前に締め切られることはおそらくないはずである(ここでおそらくと書いたのは、ウチはそうだが、他は良くわからないからである。)

だが、何より大切なのは、本当に自分がやりたいことと渉外系の法律事務所の弁護士がやっていることが同じなのかどうか見極めてから初回の事務所訪問を行うことではないだろうか。何も考えずに事務所を訪問したとしても、得るものは非常に少ない。予め得られる情報は得ておいて、その上で、問題意識を持って訪問した方が実り多い対話ができると思われる。今は、かなりの事務所がWebSiteを持っており、そこで情報を発信しているので、ある程度の予備知識は得られる。

しかし、このような修習開始前の就職活動に近いもの(オファーは出さないので就職活動ではないという解釈らしい。)を多数行うと、良くも悪くも先入観が植えつけられてしまう危険があるような気がする。その意味では、我々の時代より、修習生の将来像に対する自覚が早期の段階から求められているのだろう。個人的には、他の法曹の職業的魅力についても見聞きし、実際に間近に触れてからでなければ決められないとおもうのだが、流れには逆らえないということなのかもしれない。







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