2001年11月14日(水) |
私信兼雑文: You, Lier. |
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喫茶店のテラス席が一つだけ空いているのが見える。 (ガラス張りの)店内に入る前から、珈琲の香りが、かすかに漂ってきている。
空に、(不自然に赤く不自然に遠く)風船が浮いている。 同じ場所で、同じ光景を観たことがあった(ような気がする)。
「うそつき」
と呼ばれた気がして振り向く(が、誰もいない)。 だが、その声には覚えがないわけでもない。 (どちらかといえば物理的な)痛みが頭部の奥に走る。
マグカップを手渡される。 いつのまにか自分が注文を終えていたことに気がつく。
同じだ。どれもこれも同じだ。(時計の針は逆行しない。) もう一度風船を空に探す。が、もう見えない。
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