2001年04月01日(日) |
独白:渉外弁護士の仕事とは? |
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この日記サイトを使うにあたって、「弁護士日誌」がどのような日記なのか、簡単にご紹介したいと思います。 まずは、ご理解頂くため、簡単に渉外弁護士の仕事についてふれてみます。
英語を使う仕事を「渉外の仕事」と称してよいのかについては議論があるところですが、現在の私の仕事の約6割くらいは多かれ少なかれ英語を使用しています。
最近多い仕事は証券業界、銀行界の再編の波を受けて、新たな業務に進出するジョイントベンチャー(合弁)企業の設立に関する作業や、新たなストラクチャー(仕組み)を用いた債権の流動化などです。これらは、契約書の作成・検討に始まり、会社設立作業、登記、証券業登録、外為法・独禁法及び証券取引法上の届出、報告等一通りの作業が必要になりますのでこれらの書類の作成、提出等の仕事をおこないます。
一方で、新しい金融商品や仕組みの特殊なファイナンス(金融)について、その適法性について調査してメモランダムを作成する作業もございます。ここでいう「メモランダム」は、単なる「手控え」ではなく、法律上の議論を整理し、考え得る法的問題点を検討して議論したものをまとめたものを指しています。勿論、英語のものを要求されることもあります。法律事務所全体として出す意見書よりは公式ではないが、ほとんどが前人未到の法分野を検討するものばかりなので、議論は難解です。私も日夜頭を悩ませては、事務所の他の弁護士と侃侃諤諤の議論をする毎日を送っています。
このように抽象的な説明では、正直言って外部の人にはわかりにくいのではないかと思うのですが、如何でしょうか。そこで、これから少しずつこの場を借りて、どんな仕事をしているのか、どんなことを考えているのか、独り言を語っていきたいと思います。
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