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1998年06月03日(水) Paul Auster「鍵の掛かった部屋」


ポール・オースターPaul Auster「鍵の掛かった部屋」(白水Uブックス)を読む。

村上春樹的。直線的ストーリー。深みを技巧によって演出しようとしているが、不自然。

だが、この不自然さを受け入れながら読むと、意外にこれが面白く読める。
アメリカの小説家というイメージ通りなのが楽しい。

現代の小説家の一部が、何故こういった物語を書き続けなければならないか。
「書かれる必然性」を欠く物語は、むなしい。

生まれ出ようとするストーリーが、リアリティを持つかどうか。読者を酷薄な現実に対峙させ、日常を問い直させることが出来るか。

そして、読む前と読んだ後の自分が、明らかに変わってしまったと感じるかどうか?
そんな、小説が求められている。







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