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1997年10月12日(日) ピエール・ド・マンディアルグ「大理石」他


久しぶりに文学のはなし。

ピエール・ド・マンディアルグの「大理石」と「城の中のイギリス人(原題はL'Angrais decrit dans le chateau ferme、アクサンは省略)」 を連休を利用して読む。堪能。「大理石」はなかなかにハードにフランス・アンチ・ロマン(反小説)していてほほえましい。(たぶん反論がごまんと帰ってきそうだが。) 一方、「イギリス人」の方は系譜としては本人も認めているように、レティフやサドの流れを汲んだもので、あるいは「O嬢の物語」やあるいは「眼球譚」を想わせる。ハンス・ベルメールに表紙を作ってもらおうと思った、と言う本人の弁も、これを読めば納得がいく。 見ようによってはかなり下品な作風である。人によっては、(特に女性は)、「イギリス人」は読めない人が多いように思う。しかし、残酷と高貴、醜怪と美、堕落と神聖とが紙一重であることを我々に教えてくれる。ジョルジュ・バタイユを好きな人ならば、「イギリス人」も好むのかも知れない。好きなバッハの「フーガの技法」を掛けながら、読書に耽っていると、休日もいくらあっても時間が足りない。

小説。相変わらず進まず。友人の日記を覗いてみたりする。

明日から再び修習の毎日。休日モードはおしまいだ。 僕の頭の中の「文学君」にはしばらく眠っててもらおう。







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