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1997年04月01日(火) フランツ・カフカと筋肉痛


朝目を覚ますと僕は自分が巨大な虫になっていることに気づいた。しかも、何故か全身が筋肉痛の嵐だ。虫にも筋肉痛があるという新しい発見に僕は打ちふるえた!
などというエイプリルフールにお約束のギャグは置いておいて、筋肉痛であることは紛れもない事実である。ソフトボール大会で暴れたからか。

しかし、カフカの有名な短編「変身」は不条理といういかにもなタームで読まれがちではあるが、本来カミュに対する批評として使われたタームであるabsurditeの訳語としては「不条理」というのは誤解に満ちた訳ではないだろうか。 むしろこれは、「ばかばかしさ」という意味で使われたのであって、別にそんな晦渋な人生の真理を表す普遍的な意味合いまではないと思うのだが。むしろ、「変身」はブラックユーモアとして読むのが正しい。その視点から考えると、 むしろ冒頭からの無意味な虫への変化、そしてそれに引き続いておこるいくつかの混乱よりも、その変化を周囲の人々が受け入れ初めてからのほうが、よけいにおもしろいと思うのだがどうだろうか。 そんなことを考えていたので、添削を仕上げるのに締め切りぎりぎりの夜9時までかかってしまった。

ちなみに映画にもなったカフカの「審判」は司法制度の暗闇に潜む無言の悪意を暴き出していて、官僚主義に対するカフカの敵意を読みとる事ができておもしろいです。それが、社会一般への弾劾にもなっているところがカフカの優れている点ですが。







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