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1997年03月25日(火) 夢、戦争の夢


昨日の反動で、今日はなんと昼過ぎ2時まで爆睡。夢を見た。僕の夢はたいていの場合、ちゃんとストーリーがあって、まるで映画を見ているようで自分でも楽しいことが多いのだが、今日のもそんな感じだった。

時は第二次世界大戦の末期(のはずだ)。場所は日本。かなり大きな飛行艇の中で僕は帝国海軍のパイロットであった。と言ってもその飛行艇を操縦しているわけではなくて、自分の飛行機が故障してしまったため、使える零戦の残っている基地に運ばれていく途中だ。その飛行艇には小さいながらも蔵書室やバーのようなものまであって(もちろん薄汚れた暗いイメージのものだが、)どうやら高級官僚のために作られたらしい大戦前の遺物のような代物だった。僕はもう死ぬことが決まっているので、最後の楽しみと思って飛行艇の中を見て回る。そこでおきまりのように、飛行艇で働いていた少女とあわい恋に落ちるのだ。お互いの心が通じ合えたと思ったまもなく、米軍の飛行機による攻撃が加えられる。僕はその飛行機の正体を知っていて、(新型の飛行機で、零戦でも振り切れない)直感的にこの飛行艇はもうダメだと悟る。そこでどうしたか。

あるまじき事か、ぼくはそこから一人で逃げ出してしまうのである。小型艇のようなものでひとりだけ。この行動は飛行場がもう近くてそこでゼロに乗り換えて、迎撃しようと考えたためであったのだが、十分非難に値する行動であった。でもそれしかみんなが助かる方法はなかったのだ。結果としてぼくはその小型艇で何とか着陸に成功するが、零戦に乗り換えるまもなく、飛行艇は撃墜されてしまう。ただ、かなり海面近くで速度も遅かったせいか、不時着のような形になっていて、3分の1位は助かって海面に浮いていた。彼女もその中にいた。

僕はほっとするが、案の定彼女は僕を非難する。それは軍国主義的な意味合いの非難かと思ったが、そうではなく、彼女を置いて一人で逃げたことへの非難だった。そして、あなたが死ななくてよかった、と泣き出す。そのとき僕は何ともやるせない気分に浸りながらも、「お国のために」と言う言葉が彼女の口からでなかった事をほほえましく思ったのを覚えている。僕はもうすぐ死ぬのだろう。誰も見守るもののいない零戦のコックピットの中で。でも、この少女の言葉を胸に僕は死ねるのだろう。それを考えると僕は幸せだ。

そこで目が覚めた。







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