昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2006年12月31日(日) goodye デイジーチェイン

今年のベスト特集だった『ウイークエンドサンシャイン』を聴いていて、2006年もあと2日なのだ、ということに気がついた。様々なことがありすぎて、もう振り返る気力もない。土曜日は、出勤にあたることが多かったため、『ウイークエンドサンシャイン』を最後まで聴くのは久しぶりだった。3週も続けてライクーダー特集をすると聞いたときは、正直いかがなものかと思ったが、あれはあれでとても良くて勉強になり、また今日かかったマイルスは、かっこよすぎて脳みそが痺れるようだったし、The Dirty Dozen Brass Bandの『What's Going On』は、何度聴いても魂が震える感じがすると思って、なんだかんだ言っても、わたしはこの番組がすごく好きだ。なくなると非常に困る。

実家へ帰る京阪電車の中で、文庫になった絲山秋子『海の仙人』を読み終えて、10分くらい余韻にひたって、次は『マヤコフスキイノート』を読みはじめた。これはボリュームがたっぷりで、年内に読了できる可能性は低い。でも、まず解説は熟読した。
今年はたくさんの翻訳小説を読んだ。つい最近までは『ジェインエア』を読んでいた。そりゃこうならざるを得ないでしょ、という展開で、ほとんど少女マンガの世界なんだけれど、物語に溺れて時間を忘れる感覚に酔い、楽しんで読んだ。
高校以来の再読で、『グレートギャツビー』も読んだ。もちろん村上春樹訳で。当時は読んだ気になっていたが、高校生ごときに理解できる小説ではなかった。『追い求めるものと、追い求められるものがいるだけだ。休む暇もないものと、飽いたものがいるだけだ。』
それから、マルケス。やっぱりわたしはこの人の書くものが、たまらなく好きだと思った。『セックスというのは、愛が不足しているときに慰めになるだけのことだよ。』(『わが悲しき娼婦たちの思い出』)

来年はどんな年になるんだろう。それに、今年はほんとうに、なんという1年だったんだろう。
わたしは今、この10年の間、自分が最も大切にしてきたものを失おうとしている。それが手からこぼれていくのを見ている。誰が悪いわけでもないし、どう考えても仕方のないことだ。しかし、やはり決定的な何かが変わったことは間違いがない。たぶん、2005年の6月に。わたしはあの時、自分の中のどこかでカチッとスイッチが入った音を確かに聞いた。それは、世界が逆回転を始める合図だったのに、気がつかないふりをしてしまった。気がついていたけれど、たとえ逆回転したとしても、同じレールを走っていけると思ってしまった。もし、間違いがあったとしたら、そこだったかもしれない。
この願いが叶うならどんなことでもする、あらゆるものを差し出す覚悟がある、この先どんな苦痛や屈辱にも耐える、と、祈り続けて、ここまできた。その願いは、ある意味叶ったし、わたしの人生を照らす、大きく明るい光となった。これからもかけがえのない支えになり続けるだろう。しかし、そのためにわたしが支払った代償は、あまりに大きいものだった。

また、同じところで同じ景色を一緒に見たいなあ。約束とか進展とか将来とか、そんなことはどうでもいいから、その時だけでいいから、少しでも近くにいることを感じていたい。そのためにできることを、あの人のためにできることを、考えつづけること。それが、来年のわたしの目標だ。





フクダ |MAIL

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