昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2006年06月28日(水) トランキライザー

今朝、久しぶりに祖父の夢を見た。夏の夕方、縁側に並んで腰掛け、スイカを食べる祖父とわたし。傍にはムクがいた。ムクは、祖父が大切にしてた犬。雑種で真っ黒であんまり頭が良くなくて、祖父にとびきりなついてた。祖父はまだずいぶん若く、幼いわたしが一番親しんでいた頃の、お酒をたくさん飲んでいた頃の、元気で冴えてた頃の、おじいちゃんだった。わたしはたぶん、小学4年くらいで、オカッパ頭で、日焼けしてて、でも意識は今現在のままで、おじいちゃんもムクも死んで、もういないことを、すでに知っていた。
「もっと、スイカ食え」とおじいちゃんは言った。わたしはもう十分食べていたし、お腹もタプタプだったので、「もういい」と言って断った。「もっと食え」おじいちゃんは、また言った。「明日からはもう食べられへんねんから」と、スイカを差し出した。「これが最後やぞ」。
そこで目が覚めた。朝6時だった。その時、ムクはどうしていたんだろう。思い出せない。とびきり寂しい夢だった。これから働くことなんかできるんだろうかと思った。できたけど。

蒸し暑い一日だった。晴れてくれて、洗濯物が乾いて助かった。ほぼ、定時に引き上げてきた。飲みに行こうと誘われたけれど、断った。タイムカードを押すのと一緒に、社会に向かって開かれた自分の幕は下りるのだ。誰とも関わりたくない気分だった。一人を除いては。

帰り、天牛でドナルド・バーセルミ『口に出せない習慣、奇妙な行為』を買った。600円。八百屋でオクラとトマト、バナナを一房買った。

いいことないわ。なんにもいいことない。手をこまねいているだけ。さっきも友人からメールで、『今月は収入が9万なのに、カードの請求が10万きた。いよいよ首がまわりません』というのが来てた。冴えないわ〜、どこもかしこも。

でも、おじいちゃんの夢を見て、ちょっと日記でも書いてみる気になった。この先、どうなんのだろう。
6月28日。また、もうすぐ一日が終わる。


フクダ |MAIL

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