昨日・今日・明日
壱カ月昨日明日


2004年09月27日(月) 罪悪は、近代社会における唯一の鮮明な色彩だ

 今日は代休。
 のはずなんだけれど、出席せねばならない全体会議があって、午前中だけ出勤する。なんでこんな中途半端でブサイクなことになってしまったのだろうか。おかしいなあ。お弁当をぶら下げて、少し不機嫌な気持ちで会社に行く。

 会議はまるでお通夜みたいな感じで特に盛り上がることもなく特に問題もなく終わり、私たちいてもいなくてもどうでもよかったよねえ、なんて文句を言いながらIちゃんとお弁当を食べて、私はどこへも寄らずそのまま家に帰ってきた。
 昼からはしばしの間、家でごろごろ。日記を書いたり、本や洋服の整理をしたり、届いた宅配野菜の処理をしたり、あとは、サガンが亡くなったと知って、本棚から「悲しみよこんにちは」を出してきて読んだりもした。この小説で好きなのは、第3章の冒頭でセシルが階段に腰掛けて珈琲とオレンジの朝食をとるところ。
『…私はコーヒーのカップとオレンジを持って、のんびりと、階段に腰を下ろして朝の楽しみに着手した。私はオレンジに噛みついた。甘い汁が口の中に撥ねかかった。熱いコーヒーをすぐにひと口、それからまた果物の新鮮さを……朝の太陽は私の髪を熱し、私の肌の上のシーツの跡を伸ばした』
 なんかかなり気取った文章だけど、高校生の頃初めて読んだ時はちょっと自堕落な感じが格好いいと思った。個人的には、珈琲とオレンジを一緒に食べるのはあんまり好きではない。

 日暮れ前に、ぶらぶら買い物に出る。スーパーでエリンギとしめじと国産のニンニクと急に食べたくなって何十年ぶりかにポテトチップスを買った。その帰り、ぶらぶらと何の気なしに古本市場に立ち寄って、漫然と棚を眺めていたらなんと野呂邦暢の「諫早菖蒲日記」があって、我と我が目を疑った。グレーの背表紙が光輝いているようだ。こういう時、生きててよかったと思う。それからずっと探していた色川武大の「明日泣く」も発見して、今日は朝からどうも不機嫌だったけれど、思い返してみれば素晴らしい日だったかも知れない。とにかく古本の神様に感謝、なのであった。

 ごはんを食べながらしょーもない内閣のニュースを見る。バカバカしくなってテレビを消し、ニール・ヤング「渚にて」とかイヴァン・リンス「今宵楽しく」など聞きながら、読書。小池昌代「感光生活」を読了して、Tが買ってきてくれた「クウネル」のバックナンバーを眺めていたら、ものすごく料理がしたくなった。明日は気合いを入れて朝ご飯とお弁当を作ろう。
 午前0時すぎ就寝。


・購入物:野呂邦暢「諫早菖蒲日記」(文春文庫)
     色川武大「明日泣く」(講談社文庫)2冊とも古書

・朝食:ふかしサツマイモ、ヨーグルト、牛乳
 昼食:お弁当(ごはん、ネギ入り卵焼き、千切り大根の煮物、梅干し、味付け海苔)
 夕食:鶏肉とズッキーニのパスタ、キノコスープ、ガーリックトースト、麦酒
     


フクダ |MAIL

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