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2003年01月16日(木)    Slow Career 〜スローキャリアに思う

仕事と予備校に行った帰り、渋谷の本屋で 「日経ウーマン 2月号」 を買って
読んでいる。珍しく2ヶ月連続で買って。(苦笑)

「日経ウーマン」は、前職で働いていた頃によく買って読んでいた。
でも、大学院に入って学生という身分になってからは殆ど立ち読み程度だった。
それが、先月久しぶりに店頭で手に取り買ってしまったのは、日経ウーマン・
オブ・ザ・イヤーが発表されていたからだ。知っている人が入賞していた。

そして、今月は スローライフ がテーマになっていたせいかな。
スローという言葉を色々なところで見かけるようになり、流行語になりつつ
ある感じ。今年の年末の新語・流行語大賞に入りそうな勢い。
ついつい買ってしまった私も、すっかりその言葉に踊らされている。(苦笑)

扱われている記事の中に スローキャリア という言葉があった。
他にも、「スロータイム」「スローラブ」などの言葉が出てくるのだけれど、
個人的には スローキャリア の記事をじっくり読みたくて買ってしまったのだ。
糸井重里さんの「晩熟のすすめ」の文章も、なかなか良い。

初めて就職し約5年勤めた会社を辞める時、「これからは生き急ぐのではなく、
もっとゆっくりじっくり行こう
」と強く思った。自分のしたい仕事、もしくは
自分に適性のある「コレ!」という仕事に一生かけて携わりたいと思った。
その時々の流行の職種を追いかけるのではなく、自分らしい職業につきたいと
思った。

要は、私が仕事を辞めた時に自分自身で感じた気持ちと同じようなことが、
5年経った今、記事になっているのかな〜、というのを確認したかったのだ。
そして、結論を言ってしまえば、そのとおりだった。



私の勤めていた会社は、この記事で使われている言葉を使えば、非常に
ファストキャリア な会社だった。
在職時は、それこそ身が擦り切れそうになるまで一心不乱に働いていたので、
私が「生き急ぐのを止めよう」と思ったのは反面教師というやつだと思う。

その会社で私が体験した職種は、営業・技術・企画と実に様々で、よくもまぁ
短期間でそれだけ体験させてもらえたものだと今では感謝している。
学んだことはとても多く、魅力的な人も沢山いた。
情もあったし、辞めると決めた後も、去りがたい気持ちで一杯だった。

けれど、長く勤めれば勤めるほど、「これは一生は続けられない」と思った。
今まで自分はタフで精力的な人間だと思って生きてきたけれど、そういう人
ばかり集まった会社の中で、自分はついていけないと実感したのだ。

別に、会社や職場の人間関係が嫌だったわけじゃなく、報酬に不満だったわけ
でもない。企業カラーも好きだったし、職場で出会った人も好きだった。
ただただ「もう体も気持ちもついていけない。私には場違いな場所になって
しまったなぁ。
」と思ったのだ。故に、その場所や仕事から新しく学びたい
ことも吸収したいことも無くなってしまった。

実は、辞めようと決心がつくまでには約2年くらいかかって、ずっと「辞めて
から自分は何をしたいのだろうか?」と探し続けていた。
候補の仕事は幾つかあったのに、最終的に自分が選んだ仕事は、堅くて地味な
国家資格の職業だった。(笑) 動機は割と単純で、「これからは女は資格だ!」
と思ったのと、細かくて几帳面な作業は自分の性格に合っている気がしたのだ。

それは、私が大学時代に専攻していたジャンルの職業で、別にこれといって
珍しい今時の職業でも何でもなかった。「そうだ、これだ!」と思った時に、
「まるで灯台下暗し。今更って感じだなぁ。(笑)」と笑ってしまった。
自分のやりたいことを探しに就職したのに、いざ見つけてみれば大学時代に既に
出会っていた。巡り巡って元の位置に戻ってしまったのだから、笑うしかない。



その目指す職業に就くために、大学院に進学し、修了し、そして修了後もまだ
試験勉強を続けている。同時に下積みのためのアルバイトをしたりして。
きっと、この試験勉強と下積みの仕事はまだまだ続くだろう。
個人的には、40代で一人立ち出来ればいいや・・・くらいに思っているのだ。

一生かけて取り組むと決めた仕事なのだから、何も焦ることはない。
大器晩成型で行こうと思っているので、それくらいのペースで十分だ。
それからでも、ざっと20年は働くことができるのだから。
もちろん早く合格して試験勉強とは縁を切りたいとは思っているけれど。(笑)

とはいえ、今の時点で資格が取れていれば、間違いなく私の顧客になってくれ
そうな会社というのが何社かあって、こうしてグズグズしているうちに
千載一遇のチャンスが、私の手の平からこぼれ落ちていってしまうのでは
ないかしらん?という不安が、実はないこともないんだなぁ。

スロー、ファストと、それぞれの概念や思想を言葉で説明するのは簡単だけど、
難しいのは何処でその両者の線引きをするのかということだと思う。
どこまではスローで行き、どのタイミングやどの部分でファストであるべきか?
という判断は難しい。時は金なり、そして金は天下の回りもの。

判断基準は自分の心の持ち方次第だというのなら、縁や運にもよるのだろう。
まるで結婚するのに、出会い、ご縁やタイミングが大切であるように。
そう思えば、少しくらいタイミングを外して逃したところで、大勢に影響はない
ような気もする。そうか、そういうことか、と納得するのであった。(笑)



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