えびたま

2020年09月05日(土) PayPayで払いたかったのにうっかり現金払い

大典が夜に鍼に行くというので
昼間に映画を観に行く。
「ゆきゆきて、神軍」
タイトルくらいは知っていた有名なドキュメンタリ。
もう30年くらい前の作品なのね。
太平洋戦争中、ニューギニアの部隊にいた奥崎謙三という人、
戦後、人を殺したり
昭和天皇にパチンコ玉を放ったりで前科3犯のこの老人が
終戦後、まだ現地にいた部隊内での射殺事件について
その遺族とともに、事件関係者をめぐる。

クレイジー。
めちゃくちゃだった。
事情を聞きに行った先で相手に殴りかかったり
途中から遺族をでっちあげたり。
公開当時、まだ子供だったのでわからないけど
結構な話題になっていたことだろ。
訴えられなかったんだろかとか思ったが、
ラスト近くで、実際の発砲事件を起こしたことがわかる。
公開されたときは服役中だったよだ。
ニューギニアにも行ってカメラを回してたらしけど
出国時に現地政府にフィルムを取り上げられて
お蔵入りしてたり。
何から何まではちゃめちゃだと思った。

戦争で人生を狂わされた人たちがたくさん出ていた。
どの人も、どの人も。
従軍経験のあるわたしの二人のじいちゃんらは
この映画のことは知っていただろか。観ただろか。
じいちゃんらの中にも、あの狂気が宿っていたのではと思う。
奥崎さんはその狂気をコントロールできなかった。

森友問題に関する公文書偽造をさせられて自殺した
近畿財務局の赤木さんの奥さんが、
今回のリバイバル上演を観て、勇気を奮い起こしたという。
人生を狂わされたことに、共感したのだろか。
真実を追求するということにも、背中を押されるだろな。

「真実は伝えなきゃいけない。
そうでないと、またこの国は戦争をする。」
昭和60年代くらいにも、こいう危機感があったのかと
ハッとした。
わたしが子供の頃認識していた世界と
じいちゃんたちが観ていた世界とは、違ったんだろな。
戦争中のことが、まだ30〜40年前のことなのだ。
75年も経ってしまった今は、
その危機感がより切迫したものになっていると気づく。


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