えびたま

2020年01月04日(土) 映画始めはケン・ローチ

仕事始めだけど、土曜だから半ドン。
意外と早く帰ってこられた。

昨夜は結局深夜に仙台に着いたので
半日だけでも仕事したらへろへろだったが
午後お昼寝して英気を養い、レイトショーを観に出かけた。

「家族を想う時」観た!!
イギリスのニューカッスルに暮らす4人家族。
父親のリッキーが、とある運送会社と
フランチャイズ契約をするシーンから始まる。
会社と契約はあるが、飽くまで自営業だと言う。
輸送に使うバンの頭金を用意するため、介護職の妻アビーの車を
売ったため、アビーはバスで依頼者の家を廻らなければいけない。
アビーは「ゼロ時間契約」と呼ばれる、
雇い主が依頼を回さなければ労働時間がゼロになることもある働き方。
賃貸の家に住み、小学生の娘と高校生の息子がいる。
両親の仕事は不安定な上に忙しく、
どちらも家族と過ごす時間が足りない。
いつの間にか息子を見失っている父親。

どう見たって、日本にもあるに違いない風景じゃないか!!
世界中こんななのか…。という絶望感と共に
登場人物に必要以上に同調してしまう。
これでもかと酷い目に遭っていくリッキーだけど
一つ一つ見れば、いわゆる「よくあること」でつまり
誰にでも起きうることなのだ。
急な用事や事件事故で仕事を休むと、
成績があっという間に転落してしまう。
前半で、早朝に車を壊されたドライバーが職を失うシーンも
その場にいる他のドライバーもそうなる可能性があるという
示唆なんだなとわかる。

家族が壊れかけ、でもちょっと修復したりしつつ
でもやっぱり崩壊に向かってるんだなという予感の中
ええこんなところでえ…というシーンで終わる。
出口が見えないトンネルに突入するかのよなシーン。
もう次の瞬間、このお父さん死んじゃうんじゃないかとも
思えるけど、ああつまり、
何もしなきゃこの世の中はこのままなのだと、
観る側に突き付けたのだ、と想う。

説教臭くはない。ただただ現実に即して描いている、と感じる。
どこかにこういう家族はきっとある。
イギリスにも日本にも。世界中。


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