JIGOKUNOMISOGURA

2010年01月07日(木) またもやリハビリ。

※パラレル注意。書きなぐり。多分、19歳。





 どこがいいのかと聞かれれば、「ひとりのところ」と答える。

 二人、ではなくひとり。であること。

 別に、恋人であるから「ふたり」である必要はない。
 


 と、サンジは思う。



 と、言えば、十中八九、こう返される。
「それって付き合ってる意味ないんじゃないの?」
 それに言い返すだけの答えをサンジは持たない。だから、滅多に人に言うことはない。



 でもどこがいいのかと聞かれれば、やはり思うのだ。
「一人なのがいい」

 自分だけではなく、相手のたたずまいが。
 あれは、本当にひとり、なのだ。



 ゾロと初めて会って、目が合ったとき、少し、驚いた。
 それは衝撃というほど大層な出会いではなかったが、ああ、いたのか、と思った。
 こういう人間もいたのか。

 サンジは自分がひとりだけの人間であるとずっと知っていた。
 それは捻くれた選民意識ではなく、ただ、淡々と自分は交われない人間であることを理解していた。
 一番、判りやすく言うなら、サンジの意識は常に自分の中にない。
 どこか、ぽん。と違うところにいつもいて、ただ、自分とその周辺を見ている。
 好意を持つ人間も、逆に気に食わない人間もいるが、けれどその多くはサンジの意識を占めない。それは絶対的にサンジに関わってくるものではないからだ。
 サンジの意識は、自分の自覚とはまったく別のところで隔たっている。望む望まずに関わらず。
 本当に「ひとり」なのだ。
 ただ、寂しくはない。淡々と、自分はこういう人間で、そして自分のような人間は少ないのだな。と思っていただけだ。
 だからゾロと会ったとき、ここにもいた。と思った。
 けれど当たり前だが、ゾロは自分とは違うので、自分と同じような「ひとり」ではない。
 ゾロはゾロだ。ただ、ゾロという生き物で、佇んでいる。
 だから、二人でいても、自分たちは「ひとりとひとり」であって、二人にはならない。
 どんにな近くにいても、理解していても、決して交わらないところにいる。
 それに震えるような恋をしていても、ゾロが自分に好意を持っていても。
 その恋は重ならないところにある。
 淡々と、相手と自分の恋を眺めている。

 どんなにおかしいと言われても、自分たちはそうなのだ。

 どこがいいのかと聞かれれば「ひとりのところ」と答える。
 自分が一人であることを理解してくれているのでなく、一人ですっくと立っているゾロの佇まいが好きだと思う。
 ただ、ひとりで遠くを見、聞き、言葉を紡ぐ、その様が好きだと思う。
 お互いがただ、相手に恋をしている、この縮まらない隔たりを眺めているのが好きだと思う。
 恋人ではないし、恋人だとも思う。ただ、相手に恋をしている自分は知っている。
 サンジはただ、それだけに揺さぶられるような気持ちになる。

 サンジはこれが恋だとも知らない。ただ、ゾロの恋が自分に届くような気がするとき、恋が出来る自分だけは、いつもぽつんと自分を眺めている、ひとりの自分ではないような気がするからだ。


2010.1.7



お題:「強く想ってるけど伝えたくない」


 < 過去  INDEX  未来 >


yanagisawa