JIGOKUNOMISOGURA

2001年05月27日(日) 味噌蔵らしく。

澤地久枝『心だより』講談社。解説・装丁・安野光雅
読了。

なんだか、久しぶりにこの人の本を読んだ。珍しいことに周辺エッセイ。
読了感としてはなまいきだけれどいまいち。
このひとは自分を語ると良くない。
ドキュメントや、歴史を語るとき、あれだけ冷静で冷徹で、切り込むような眼差しを持つ人が、自分の事を語り始めると、そのナルシズムに対する戸惑いが重い。
口調がよどんで、あまり感心しなかった。
安野光雅はこのひとの本をよく手がけている。
うつくしい表紙。

私は澤地久枝のわりに若い読者だと思う。
昭和ヒトケタの、死にものぐるいで書いている女流作家の、女だてらで、という強い気負いを持ったこのひとの本は、見かけたらよく手に取った。
いい仕事は
『烙印の女たち』
『別れの余韻』
『あなたに似た人』講談社文庫。
『昭和史のおんな』『続・昭和史の女』春秋文庫。
出世作『妻たちの2.26事件』講談社は読む人を選ぶ。
全体的に仕事は男勝り。
『別れの余韻』は、故人の思い出をつづったもの。
このひとは、向田邦子ととてもいい友人で、向田邦子との思いでを書いた文章はみごと。
限界まで近く、親しく、なのに慎みのある友情というのはこういうことかと思う。
昭和ヒトケタの長女に生まれた、口うるささを疎まれていることを自嘲しつつ、そういった躾と教育を得た、女であることの自覚と気負い。
体力勝負のルポルタージュをずっとひとりで書き続けてきた澤地久枝の「ものかき」という自認はとても深くて重い。
今年70歳。

安野光雅の解説は、あまり上手くないな、と読み始めて、木訥とした文章の、心づくしの品の良さにうわっと思った。丁寧に丁寧に、綴った文。


『グリーンマイル』
スティーブン・キング、新潮、訳、白石朗。
1.2巻、読了。
よっしゃ面白い。


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