| T大学文学部就活模擬面接合宿2日目 |
合宿二日目。9時からだというのに、時間通りに来ていたのは女子学生3人のみ。 私も「やばい!遅れる!」と慌てて扉を開いたら、男子は誰もいなくて驚く。 全員揃ったのは9時半近く。その間Nさんはお金の計算やらヴィデオの準備やら。
開講して早速Iさんが「今日の集合時間は何時ですか?9時に来ていた人は?」と全員に質問。叱る。 Mさんも「ゲストを待たせるなんて」と怒る。私は何も言わなかった。
かなりピリピリムードの中、誰も模擬面接1番目をやりたがらない。
1人約10分で志望動機と学生時代に打ち込んだことを主に聞く。 時間の都合で後半は大学3年間で打ち込んだことのみ。 サークル活動、アルバイト、海外旅行、海外研修などなど。
イキイキと自信を持って語る学生もいるが、特に打ち込んだことも、やりたいこともないけど就職しなくちゃいけない、という学生にとってはきついと思う。 とってつけた答えではちょっと突っ込んで質問すると答えに詰まってしまう。 そういう学生は就職活動から嘘をつくことになる。 いくらバブル入社の私だって「志望の動機はM(男)V(休み)P(給料)です」とは言わなかったし。
可笑しくもないのに「明るい笑顔で」とか面接官が何を求めているのか「空気を読め」とか、私は言いたくないが、日本企業が新卒社員に求めるのは結局そういうものなのだろう。
そんな中、スーツも持って来ず、取り付く島もないほど正直な受け答えをする学生が1人。 「読書が好きです。就職はしなくちゃと思うけど何も考えてません」
私は「親や先生や友達は就職就職っていうかもしれないけど、就職しなくたっていいんですよ。したくないことを無理矢理することないです。自分がしたいことは何かよく考えてみたら」と言ってしまう。
しかしNさんは「あまり自分は?自分は?ってなってもよくない」と言う。 人によるんだろうけど。
全員の模擬面接を終えて最後に「私は他のお二人のような人事部の経験もないし、立派なキャリアもないし、何故この場に呼ばれたのかわからなかったのですが、Nさんからは『誉めてほしい』と言われました。誉め足りなかったかもしれません。ごめんなさい。就職活動はまだ始まったばかりだし、これからどんどん成長すると思うし可能性はいっぱいあるので自分を信じて頑張って下さい」と挨拶。
ホワイトボードにメールアドレスを書く。 「誰からも来なかったら寂しいなあ」と言いつつ。
Mさん、Iさんはかなり厳しい質問やアドバイスをしていたので、私は相対的に穏やかなイメージを持たれたと思われ、得な役割だった。
Mさんは優しい人なのに皆に「おっかねー」「こえー」と言われて、役割とはいえ可哀想かも。 「飲み会での私が本来の姿ですから」と笑っていたが。
Iさんは27歳。失礼だが初めて見たときは学生かと思った。 しかし非常にしっかりしているし落ち着いている。 いろんな学校関係者に会うのだろうが、Nさんには内心驚いていたのではないか。 あんな先生、多分いないもんなあ。
Iさんが化粧品、ホテル、旅行会社志望の女子学生に「お化粧してますか?」と聞き私に「どうです?」と聞く。 「ウーン」と詰まる私。
確かにそういう業種ではキレイな人が多いだろうし、身だしなみも厳しく見られるだろう。 しかし、私はとんでもない格好で面接に行ったり、入社してからも身だしなみでは散々注意された口なので、何も言えない。 後で「口紅塗ってる?」と聞いたら「いいえ」と言ってたので「口紅は明るい色のを塗るといいよ、顔立ちがはっきりしてるから逆にやり過ぎないようにね」と話した。
Nさんに秦野まで送ってもらってロマンスカーで帰る。 Nさんには満足頂いたようで、良かった。
学生はどうだっただろうか?と考えていたら夜、早速3人の学生からお礼メールが届く。嬉しい。 やはり面接の印象が良い学生は反応がいいのだな、と思う。
(その後計9人がメールをくれた中で)1人だけ、集合時間に遅れたことを反省していると書いて来た学生がいた。
「実は私はものすごい遅刻魔なんです。就職活動でも入社後も苦労しました。 今も全然直っていません。だから私は人の事は言えません。 ただ、時は金なりは骨身にしみています。 時間の事は本当にうるさく言われますからね。」
と告白しておく。
この合宿は私にとって、非常に貴重な機会で楽しかった。 「スーパーフリー事件」以降サークル活動をする学生激減など当世学生事情などの情報や、若者との会話、そして自分の学生時代との比較も面白かった。
私もNさんにお礼メール。
「しかし就職活動当時の自分を思い返すと酷いものだったなあと恥ずかしくなりますね。 世の中舐めてました。今もですが。ははは。」
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2006年02月05日(日)
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