コミック原作講座,居酒屋『なかよし』,居酒屋

 コミック原作講座の宿題は、一話完結の連載ものであらすじと、キャラクター分析表と、第1話の原稿を提出せよ、というもの。

企画趣旨とキャラクター分析表はできた。原稿が間に合わず。
同僚のAさんは劇団の手伝いなどしている人なので、お昼休みに意見を聞く。「面白そうです」と言ってくれる。

こんな人が出てきたら面白いよな、とまでは考えられるがその後が続かない。事件が起こらない。
私は物語が紡げないのだと気付く。溢れ出るストーリーなど持っていないのだった。
女梶原一騎の夢、危うし。

 新宿駅からタクシーでコミック原作講座最終回は、遅刻せず。
前回の宿題(映画『カロン』を漫画化する場合の冒頭7ページを書く)が採点されてみんなに配られる。
総論がかなり厳しいものだったのでショックだったが、個別評価も辛口。

私の作品は物語構成力5から期待度2までの数字が並び総合評価は3。10点満点で3。
2という人もいて、受講生の中にはプロの漫画原作者もいるらしいが、最高でも5だった。
「極めて平凡。“事件の予感”がゼロ」「映画を見てしまったので、その束縛から逃れられなかったかな?」とコメントを頂く。

だめだこりゃ。コミック原作者の道は諦める。才能なし。

こうなったら志波秀宇さんの話を一生懸命聞いて、何かを学ぶことをこの講座の目的とする。
志波さんは「命がけの人を評価する」というからには、自身も命がけだ。
お話は歴史、世界情勢など多岐に渡り、最大の情報をいかに得るかを教えて下さる。
非常に興味深い。漫画の世界を超える話だけど、全て漫画につながる話。素晴らしい。
そして笑顔が素敵な志波さん。かっこいい。もっと何時間でもお話を聞いていたくなる。

 講座の打ち上げで近くの居酒屋『なかよし』。志波さんのオフレコ話満載。面白過ぎる。
一人、プロの漫画原作者で、歴史や宗教、裏社会、格闘技などすごい博識で志波さんの話に質問することなくついていける受講生がいた。
彼は「ショックだ。僕はかなり勉強して、人には驚かれるのに、志波さんは何の話を持ち出しても軽く答えられてしまった」と打ちひしがれている。
「年齢が違うし、経験があるから当然じゃないですか」と私は言ったけど、この二人の会話はオタクのマニアック度勝負などではなくて、剣道の稽古試合みたいだった。

 志波さんは帰られて、受講生の一部で新宿駅南口近くの居酒屋。
何を話したのか覚えていない。寝てしまって終電を逃す。
タクシーで池袋駅まで送ってもらって帰る。
2004年07月01日(木)

抱茎亭日乗 / エムサク

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