BIWAKO HOTEL,裁判初傍聴,やまき,黄桜 治六亭

明け方、雨が酷い降りになる。30分ほど遅れて7:30近くに終点「浜大津」に着く。寒い。
早朝に開いている店などなーんにも無い、琵琶湖に面した駅。傘を買う売店も無い。
大津地裁のある大津駅には遠くは無いが不便な場所にある。

雨の中近くのビジネスホテルに駆け込むが、居場所が無い感じ。
また駅まで戻って、歩いている人など誰もいない中ずぶ濡れになってBIWAKO HOTEL。

\1,800の朝食ビュッフェをやっているラウンジは満席。
トイレに行って服を拭いて顔を洗って化粧をしてブュッフェを待つ列に並ぶ。
大きいホテルで他にも朝食を摂れるような場所はあるのに、
忙しい朝食を待たせるホテルというのは初めて。
悔しいので洋食と和食とめいっぱい、全面ガラス張りの窓から雨の琵琶湖を眺めながら
ゆっくり食べる。

傘を売っているか尋ねたらホテルの傘をくれた。歩いて大津地裁。

傍聴人が多いので法廷が大きいところに変更されたらしい。原告側の最前列に座る。
私の後ろの席には高山氏が座った。少し緊張する。

尋問「あなたはその時こうは思わなかったんですか、思いましたか」
証人「エー、私はこうこうこういう事情で…」
となるとすぐさま裁判官が
「聞かれたことに答えて下さい。思ったのか思わなかったのか、どっち」
と畳み掛けてくる。
「思いません」でも「思います」でも「どうして?」とは聞かれず「ふうん」。で、すぐ次の質問。

午前中は滋賀県警天下りの大津プリンスホテル従業員力石氏の証人尋問。
この人は自分がホテルの社員だという意識がまるで無い。
ホテルを利用するゲスト(高山さん、宮崎さん)を呼び捨てにする。
チケットがほとんど売れているイベントをホテル側が中止させて、
「チケットを買ったお客さんに迷惑をかけると考えなかったのですか」と聞かれて
「関係ない。それは主催者の考えること」。
主催者もイベントのお客さんもホテルの客だろうが!
このボケはどっかの署長を勤めていたというが、何でこれがプリンスホテルの部長なんだ?

お昼は電脳キツネ目組の人達と大津駅前の蕎麦「やまき」。
雨が上がったので傘をBIWAKO HOTELに返しに行く。

午後はもう一度力石氏、中止させられたイベントの主催者、
大津プリンスホテルの副支配人、そしていよいよ滋賀県警林良介。
私は今度は被告人側の傍聴人席に座って宮崎さんと原告弁護団をじっくり見る。

林も力石も
「四代目会津小鉄の会長だった高山登久太郎は未だに暴力団に強い影響力を持ち、そんな人物がホテルでイベントをすることは危険が予想された」
と言い張るのだが、当の高山氏はその前後もホテルでイベントをしているし
今日の裁判にも傍聴に来ていて、特段の警備も危険も無いじゃないかと言われると「…」。

最後に宮崎さんが滋賀県警の林に原告質問。
「林さんは一般人から情報提供があってこのイベントを知ったと言うが、
天下りをした力石さんから聞いたのではないですか?」
「違います」
「力石さんは天下りですが前任者は誰ですか?」
「なぜそんなことを聞くのですか?」

そこで裁判官が「私にも質問の意図がわからない。止めて下さい」と言って
今日の審議は終わり。

後で宮崎さんが解説をしてくれる。
つまり天下りの力石は自らの存在感を示すために「こんなイベントやるって言ってます」
と古巣の警察に言いつけて一緒になって中止を働きかけたのではないか。
ホテルの従業員としては無能そうな、リストラに怯える彼のマッチポンプ
という図が透けて見える。

取材記者に「判決の根拠としては、それで勝ち目はあるんですか?」と聞かれて
「法的根拠は弁護士がやることだろ。俺は嫌がらせに対して嫌がらせを返しているだけ」
と答える宮崎さん。さすが、素敵過ぎる。

電脳キツネ目組の組員の中には裁判傍聴を多くしている人や、
原告や被告の経験がある人もいるが
今日の法廷劇は相当面白い、見所満載の裁判だったようだ。
初めての傍聴としてはかなり見ごたえあるショウだった。
誘っていただいた宮崎さんに深く感謝。

キツネ目組のみんなと「黄桜 治六亭」。
往復バスは辛いので格安チケットを買って新幹線で帰る。

いろんな事を思い出したり考えたりした滋賀行きだった。

一つ、想像。もしも、緑さんが裁判の証人になったら?
尋問「その時あなたはそう思ったんですか?思わなかったんですか?」
緑証人「それは…」
尋問「どっちなんですか?思ったのか、思わなかったのかそれだけ答えて下さい」
緑証人「うーん、考えます」
とか?

緑証人「思いました」
尋問「そうですか、では次に…」
緑証人「ちょ、ちょっと待って下さい。なぜそう思ったのか説明させて下さい」
とか?

一つ。彼女を襲った相手をぼこぼこにして刑事裁判の被告になったことがあるという人の話を聞いて、「告発の行方」という映画を思い出した。
あの映画で輪姦された女性の恋人は、深く傷ついている彼女に
「バイクで飛ばすかい?気分も晴れるぜ」
みたいな事を言うのでびっくり。「殺しに行けよ!」と激しい怒りを感じた。

一つ。天下りは社員になってもお役人。
私が辞めた会社にも消防署長の天下りがいて、
会社の利益に反することばっかり言っていた。
「どうして君はこんな会社に入ったんだい?」なんて聞いてるお前こそ何しに来たんだ。
今日の力石みたいなすっとぼけた人だった。
2002年03月27日(水)

抱茎亭日乗 / エムサク

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