ありふれた日常

2002年08月05日(月)

あの人が結婚する。
誰よりもまだまだ結婚はしないと言っていたあの人が。
もう恋愛感情はない。と思う。
あるのは、恋愛感情とか超越した何か。
漠然としていて、言葉にはできないけれど。

あの人は、あたしの中に在る一番奥の扉に手を伸ばしてくれた。
そうして、本当にあたしのためだけに泣いてくれた。唯一。
それでもあたしは扉を開けるのを踏みとどまった。
理由はきっとたくさんあった。
あの時は、どうしても、開ける事が出来なかった。

今となってはもう、想い出すにも遠く、どうでもいい事なのかも知れない。
あの人の美しい手は、もう二度と扉に手をかける事もないのだから。

あたしはとても真っ当な顔で、おめでとうと言えていたかしら。

at「bestfriend」







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