距離は少しあった。けれど、髪型も少し細い目も、痩せた身体も全てがあなただった。何度も目を逸らしては確かめる。駆け寄って、その名前を呼びたい衝動にかられたけれど今のあたしには出来ない。あなたがそれをさせてはくれない。こんな場所にいるはずがない。それは理解ってる。空を飛んだ幻影が、吐き気がする程迫って来ただけ。だってあなたはこの空を、二度とひとりでは飛ばないのだから。