おぼしきこと言はぬは腹ふくるるわざ
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5時退社。その前に天気予報を調べるが関東地方ははれる見込みなし。7年ぶりの皆既月食はあきらめて池袋に「滝川鯉昇一門会」を見に行く。 前座さん(名前失念)……「寿限無」 滝川鯉斗さん……「反対車」。最初はエンジンがかからずエロキューションが悪かったが半ばからエンジンあったまったかとにかく飛ばす飛ばす全力疾走。さすが元暴走族。しかしやはり人力車の悲しさ途中で息切れしてエンスト。一息入れてから全速失踪再開(こうみると晩年までエンジン全力フル回転の芸風だった故枝雀師匠の偉大さがわかる)。ただ落ち「おい!芸者をあげてやれ」「人力車引きふぜいには芸者なんて揚げられない」は「芸者を揚げられるくらいの甲斐性があれば人力車引いちゃいない」のほうがわかりやすかったと思う。 二つ目 春風亭鯉枝さん……創作「獣医さん」 相変わらずの不思議なキャラクター。くそまじめそうな顔でつまらなそうな口調でぼそぼそととんでもない話をするのがこの人の持ち味。打ち上げで本人にも話したのだが「ぜんざい公社」なんてやるとあの口調で官僚主義丸出しのくすぐりを語ると効果絶大だと思う。 瀧川鯉太さん……「崇徳院」 「せをはやみ〜!」のあれ。床屋36件風呂屋17件回ってよれよれになってる熊さんの演技がグッド 真打 瀧川鯉昇師匠……「森こわい」 「まんじゅうこわい」だと思って聴いていれば実は安陪さんちの晋三ぼっちゃんが「もりがこわい」という時事ネタ。きのうおもいついたんじゃなかろうか、てくらい今しか通じないネタである。今日限りの貴重な一席だったかも。 瀧川鯉朝師匠……「荒大名の茶の湯」 初上演のときに聞いたことがある。あのときは七大名がつっかえつっかえだったんだけどこれまでの練習の成果あって「細川忠興加藤清正池田照正……福島正則」と立て板に水。 ただかなしかな5尺そこそこの鯉朝さんが7尺豊かな加藤清正を演じるところに無理があってどうにもこうにも迫力が無い。苦手科目を克服しようという努力は買います。(依然鶴光師匠がおっしゃってたんだけど「鯉朝は子役をやらせるとうまいから子役の噺をもっと勉強するといい」とおっしゃっていた)
その後は打ち上げ飲み会。鯉朝さん・鯉太さんともおはなしするが、向かいに座っていた20代後半の可愛い女性と旅の話と絵の話で意気投合。以前鶴公師匠に耳をねぶられたとか。本人は否定していらっしゃったけど、「鶴光師匠」というところにリアリティありまくり。
べっきぃ
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