そもそも戦略的に何の定見もなく行き当たりばったりで拡げられたガダルカナルの戦場。その上に最初から最後まで精神主義のみで火力を凌駕できる、と意気軒昂名参謀たち。そして彼らは失敗から何一つ学ぶことなくインパールの悲劇を繰り返していく。 本書も太平洋戦史を知るものには常識を並べているに過ぎないが、やはりNHKの物量でもって現地・並びにアメリカの史料編纂所で集めた現物と実証主義的データの説得力は大きい。とにかく辻だけは誰かノモンハンあたりで殺しといてくれなかったものか