日々是無常。(直リンク禁止)
DiaryINDEXpastwill


2006年03月31日(金) 明日はエイプリルフールですが『仕事休みますv』とか嘘ついたらシャレにならんほど忙しくなります。

えー、明日4/1から、薬価改正だのジェネリック医薬品(業界では昔っから『ゾロ品』と呼んでいた)推奨プロジェクト勿論正式名称は違うけど平たく言うとそういう事だの障害者自立支援法の施行だの、医療業界ではやたらややこしい制度改正が始まります。
薬価改正つーのは、病院で使われる薬や処方箋もらって調剤薬局行くと調剤してもらえる薬が値段改正されて、まー要するにほんの数%安くなるっちゅー事でして。実際には調剤薬局で払うお金は薬代だけじゃなくって処方箋を『受け付けた』事に対する手数料とか薬の飲み方や他の薬を飲んでるならそれとの飲み合わせのチェックやらをする事に対する手数料とかがかかるんで、単純に数%安くなるってモンじゃないんだけど。あと薬一つ一つが値段の下げ幅がまるっきし違いますんで。もし病院でもらってる薬があって、それが一個いくらかを知りたい方はコチラを参照のこと。(モノによって個数単位だったりグラム単位だったり瓶単位だったりと複雑ですが)


ジェネリック医薬品については、検索してみても大体の事はわかると思いますが、かいつまんで言うと『市場に出てから何年も経過して専売特許の切れた薬を、同じ成分でより安く作って、安い値段で売り出した薬』の事で。スーパーなんかのお茶とかコーラなんかが有名ブランドと見た目そっくりで妙に安い値段で売ってるのと似てます。何となくパチモン臭いですが少なくとも成分はおんなじなので安けりゃいいという人にはいいかもしれません。ただし、成分が一緒でも服用してからの吸収率や効果が微妙に異なったり、軟膏とかだと塗り心地が違ったり、副作用などの細かいデータが存在しなかったりします。(ジェネリックはそういう細かい実験や試験を省略して作る分費用が安上がりで、結局単価が安くなるわけだ。)

そんなわけで、何でもジェネリック(めんどいので以後ゾロと呼ぶ)がいいのかつーと、そうとも限りません。
例えば、ゾロって要するに成分はメジャーでも名前がマイナーなので市場にあんまし流通してません。だから『今日すぐに欲しい!』とか言われてもその薬局にはまずないからたいていの場合無理だと覚悟して下さい。
んでいざ必要になって注文しても、入荷に1週間かかるなどという、薬局や患者をなめてんのかとツッコミ入れたくなるようなゾロ品もちいとも珍しくありません。
(これでも最近は改善されてきた方なのだよ)
挙げ句に、普通の薬は錠剤なら100錠単位、粉なら100g単位(モノによっては500gとかって事もある)くらいで買えますが、ゾロ品はそんな細かい包装単位の製品作ってない事も多々あります。例えば、処方箋に『1日3回(1回1錠)、5日分』と書かれた薬を調剤薬局が調剤するために買いたい(主に薬問屋から)と思ったとします。この場合、必要な薬の数はたったの15錠ですね。
有名どころのメーカーが作ってる薬なら少ない包装(たいていは100錠)の物があるのでそれを買えば良い…つまり15錠使って85錠余るということですが、一部のゾロは『ウチは3000錠入りしか扱ってません』などと言ってきます。
誰がたった15錠欲しいが為に3000錠も買わなきゃいかんのじゃ。(この場合当然残り2985錠は無駄な在庫になります。それ以後誰からも必要とされなければ当然使用期限が切れてただのゴミと化します。)
こんな事やってたら言うまでも無く薬局は不良在庫に埋め尽くされて、しまいにゃ赤字で潰れます。


ゾロ品メーカーもピンからキリまでありますが、メジャーなゾロのメーカーはその辺わかってて少ない包装単位作ってくれてますが…。ゾロの中でもマイナーなものは…調剤薬局に勤める薬剤師のはしくれとして言わせて貰うと、ついどうしても信用ならねえなという目で見てしまうのです。(別にブランド志向ではない)だってきちんと裏付けされたデータも無しに、安さだけをただひたすら追求してるってのは…。雑貨ならまだしも薬は飲んだり塗ったりして、患者の健康に直結するからねえ;;そうでなくてもこんな不良在庫の元になるんじゃ、『売ることは考えてても売った後の買った側の事は考えてねえんじゃねえの?』とかんぐりたくもなるってもんでして。

そのうち数あるゾロメーカーの中で、勢力争いが始まるんじゃないかな。んで病院や薬局や患者のニーズに応えられなかった所が淘汰されるんだ。まあコレは病院にも薬局にも言えることだが。


とりあえず、混乱が無い事を祈ります。明日は土曜なんで問屋やメーカーが休みだから、早速ゾロ品が必要になっても発注すら出来ないんですが。


緑川 志信 |MAILHomePage

My追加