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2009年09月11日(金)
  【乗馬】うまがこわい【62鞍目】

 今日の馬割り(騎乗馬の割り振り)は、みんなが首を傾げる不思議なものでした。

 来場者12人に馬10頭。つまり、1鞍目に10人騎乗して2鞍目は2人のみ。8人は馬装から手入れまで全部1人で行うということ。
 来場者が12人なら6頭の馬が用意されて、全馬2鞍で練習を行うのが一般的だと思うし、理にも適っています。まあ1年生と上級生の比率とかで多少の前後はあるけど、12人で馬10頭なんて今まで見たことない。

 ちなみに2鞍目の2人は、どちらも私と同じ1年生です。私は1鞍目、今回で2度目の騎乗となるチャンス号(ハーフリンガー)。1鞍目に騎乗するのも1頭の馬を1人で扱うのも初めてだったので、それだけでもいっぱいいっぱい(乗り慣れた馬でもないしサラブレッドですらないし)。

 1鞍目の騎乗が終わったら、すぐに馬と馬具の手入れに取りかかります。全部1人でやるから時間がかかる。しかも天気良いから馬も丸洗い。

 終わった後、2鞍目に騎乗していた1人・Aちゃんに「2鞍目は何したの?」と訊きました。作業に忙しくて、練習風景を一切見ていなかったから、どんなことをしたのか知りたかったのです。
 そしたらAちゃん、
「もーこわかったぁ〜」
 と、いつになく深刻な表情で訴えるじゃないですか。
「こわいって何が? 駈歩したの?」
「ううん、『君たちは駈歩はいいから』って」
「じゃあずっと速歩と軽速歩でグルグル?」
「うん」
 じゃあ何がこわいんだ。いつもと同じ練習じゃないか。
「先生の言い方がね、すっごいこわいの。やめろって言われてるみたい」
「何ソレ、そんなハズないじゃん」
 私の言葉は本心です。先生が「やめろ」って思ってるなんてそんな筈ない。何か悪いことしたりとか、あまりにも常識や良識に外れた態度だったりする人ならそういうのもあるかもしれないけど、どんなに上達の速度が遅くったって、ちゃんと通って馬に乗ってる人に「やめろ」なんか絶対ない。

 でもAちゃんの心は折れてしまったようです。
 作業終了後、Aちゃんは涙ながらに「馬がこわい、可愛いと思えない」と言い出しました。
 また間の悪いことに、1鞍目にターボに騎乗したバイトの子(少年団上がりの大学生)が、騎乗する際にAちゃんに足を上げてくれるよう頼んだんだそうです。で、気性の悪いターボは、その時にAちゃんの脇腹をパクッと・・・。
 幸い、酷い噛まれ方はしなかったみたいですが、Aちゃんはこわいこわいと言います。

 確かにあれだけ大きい動物だから、犬猫みたいには行きません。私は馬をこわいと思ったことはないけど、馬に近付く時には、ある程度の緊張感が必要だと思うし、でもこわがっていたらそれは馬にも伝わっちゃうと思う。JRAの調教師が調教中に馬に蹴られて死ぬような事故だって起こるんです。まだまだ素人に毛の生えた程度の私たちですから、油断しきってるとターボやロングやバンクにまで噛み付かれても不思議はなし。

 Aちゃんが今日騎乗したボスは、大きいけど大人しい馬。ちょっとやそっとのことじゃ動じない、優しい馬です。Aちゃんも「ボスはいい子」って前から言ってます。
 先輩と一緒に餌(エン麦)持ってボスの馬房へ行き、中で乾草を食んでるボスにAちゃんの手からエン麦を食べさせます。
「かわいい〜。でもやっぱりこわい〜」
 うん、まあ大きさは変わらない(つーか寧ろボスはデカイ)からね。

 それでも「ここまでやって来て『やめろ』なんて先生は言わないよ」「こわいこわいと思ってるとそれが馬にも伝わっちゃうから、逆によくないって」「大丈夫、1年みんな殆ど同レベルだから」とAちゃんを諭して、「絶対月曜来るんだよ? 来なかったら馬で迎えに行くよ?」と約束して、別れました。

 正直、乗馬に行きたくないな、と思う日もあります。眠かったり天気悪かったり疲れてたり、理由は色々。でも私は馬が好きだから、馬に会いたいし乗りたいから、頑張って通ってます。
 でも「馬が好き」っていう部分が欠けてたり足りなかったりする人には、先生の熱心な指導や馬のちょっとした仕草もすごくこわかったり不快だったりするのかもしれない。

 ちなみにもう1人の2鞍目・Kちゃんは「こんな少人数で教えて貰える機会ないから、良かった」と言ってました。そんな彼女は超馬好き(多分、札幌開催は全日行ってたんじゃないかしら)。

 Aちゃん、月曜は絶対来て欲しい。こわくて馬に乗れなくて、見てるだけでもいいから来てほしい。

 馬の可愛いところ、綺麗なところ、好きなところ、いっぱいいっぱい語れるはずなのに、「こわい」と心を閉ざしてしまったAちゃんにはあんまり伝わらないのがもどかしいです。
 週末でうまくリセット出来るといいんだけどな。


 そんな私は今日、チャンスに右足の甲を軽く踏まれましたよw 何故かハーフリンガーにしか踏まれない私。まあ反射神経には結構自信があるので、確かに踏まれたはずだけどダメージは殆どないんですが。痕すら残ってないよ。触っても押しても痛くも痒くもないし。


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・過去の「今日」。

2004年09月11日(土) 小さなキャンパス
2002年09月11日(水) Requiem for 9.11

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