焦ってるのか?俺は。
何に対して?
こっちが喚いて、どれだけ騒いでも、その声が届かない事への苛立ちか?
新人が3人きた。
そのうちの一人が、見た感じからしてやる気がない。
第一印象で決めてしまうのも、何だかな?という思いもあり。
また、¨最初は『新卒だから』¨と思って見ていたけど、そうじゃない事に気付くのに、さほど時間は掛からなかった。
新人が入って2ヶ月たったある日の昼休み。
俺は喫煙室にそいつと二人でいた。
『やる気がねえんなら今やめちまえ。』
わざと声を低く押し殺し、眼光鋭くそいつを見据え、俺は言い放った。
『いえ・・・・、あ、やる気あります。』
嘘だ。
こいつの言ってる事は嘘だ。
蛇に睨まれた蛙のように、怯えて、その場を取り繕うために放った偽りの誓いだ。
『じゃあ、やる気を見せてみろ。』
俺はこいつに何を期待してる。
期待したって何も報われない。
こんな言葉を掛けたって、『叱られた』ぐらいにしか思えない。
ガキにそんな注文つけたって¨何も意味がない¨って事は、自分が一番よく知ってるくせに。
『これから頑張ります。』
何を!?
お前は何を頑張ると言う!?
自分の補うべきところが自分でも分かっていないくせに、何を頑張ると言うのだ!?
やめてくれ、その場しのぎの社交辞令は。
そういうの、大っ嫌いなんだ!
心がロクにこもってない、口から出ただけの社交辞令は、大っ嫌いなんだよ!!
・・・・・・・・・逃げる事しか知らねえのか、20歳の少年。
世の中、そう甘くねえぞ。
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