いきなり退院が決った患者がいた。
しかも明日退院!!
通常、退院が決まると、その患者さんが病棟で
どんな生活をしていたか
とか
どんな薬を服用していたか
とかを患者の担当者が紙に書いてまとめる。
いわゆるサマリーってやつ。
大体、退院の日付は約1週間前に決まるのだが、いきなり明日!!
『どうする、退院患者の担当者は誰だっけ!?』
『高阪さんだ。でも今日休みだよ!?』
『・・・・誰か代わりに書いてもらうしかないわね。』
俺はこの時、倉庫で片付けをしていた。
『ったく、何でこんなにモノがあるんだよ!?』
とか何とかブツクサ言いながら片付けをしていた時、
『おい、相坂!』
・・・・姉御に呼ばれた。34歳・男女。独身。
『な、何すか?』
『急遽、○○さんの退院が決まったんだ。』
『あ、そうすか。』
『担当は高阪なんだ。』
『あ、そうすか。』
『今日休みなんだ。』
『・・・・・・・・・・・・・・・あ、そうすか。』
姉御:『ワカルヨナ?』
全く分かりません(怒
・・・・などとゆー事を言える訳でもなく、弱い俺はすごすごと倉庫から詰所に向かう。 トボトボと。
『あ、でも、もしかしたら高阪書いてるかも。』
『どうかな〜。電話して聞いてみれ。』
そして奴の携帯に電話する。
ぷるるるるるるる・・・・・
『ハイ、高阪ですが。』
『おう、わ。』 ※津軽弁で『おう、俺』という意味
『何だ、相坂か。どうした?』
わ。だけで通じるんだから、さすがだな、オイ。
『おう、あのよー。○○さんのサマリー書いた?』
『はぁ!?』
『・・・・やっぱり書いてねーか。』
『書くわけねーだろ、ってか書けねーよ。今日決まったんだろそれ!?』
『うん。』即答。
『うわー、マジでー!?』
・・・・・・・しょうがねえな、オイ。
『・・・・・俺が書いてやるよ。』
『マジで!?うおー、助かるよー!!』
『その代わりな・・・・』
『礼は百倍で返せよ(笑』
『・・・・・と、とにかくお前に任せるよ。よろしく頼む。』
『任せとけ。』
10分で書き上げたけどな。 俺って天才かも知れねー(笑
まあ、お礼なんて期待してねーけどな。
せめて、マトリックス・リローデッドおごってくれるんなら帳消しくらいには、しといてやるよ(^^
なーんてな。
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