無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年04月02日(金) 初めての……。

 昨日のホラ話で思い出したこと。
 何年か前のことだが、まだ私が劇団のホームページでブウブウ言わせていた(^o^)ころのことである(今また復帰してるけどね)。やんちゃんこと、うずめ劇場の下村ミサト嬢から、「『雪の降る夜は楽しいペチカ〜♪』の『ペチカ』って何ですか?」と掲示板で聞かれたことがあった。もちろん「ペチカ」とは、“ロシア式の暖炉”のことである。そんなことも知らんのか、それくらい辞書引け辞書、と思った私は、イタズラ心を起こして適当なことをでっち上げてレスした。
 「『ペチカ』というのは、ロシアに出没する妖怪の名前です。冬のさなか、ロシアの子供たちが、寒がってお母さんのお手伝いをしなかったり、イタズラをしたりすると、この妖怪が『ぺ〜チカ〜、ペ〜チカ〜』と声を上げながらやってきて、子供たちをさらっていくのです」
 まあ、『なまはげ』ですな。こんなアホなでっちあげ、信じるわきゃない、やんちゃんもすぐにからかわれてるんだなと気がつくだろうと思っていたのだが、なんと信じちゃったんですね(-_-;)。……これだから、ヘタな冗談は言うものではない。
 この手のホラ話で私が好きなのは、ゆうきまさみが『究極超人あ〜る』の中で紹介していた「バレンタインデーは、戦後、進駐軍のバレンタイン少佐が飢えた日本の子供たちにチョコレートを配ったのが始まり」というやつである。いそうだよな、バレンタイン少佐。


 職場の周りを運動療法で歩いてることは前にも書いたが、ぐるりと回る途中に団地がある。団地にはたいてい小さな公園がついてて、砂場や滑り台があるものだが、春休みで、昼間から子供たちが遊んでいる。
 ちょうどそこを通りかかった時に、なんだか妙に間延びした声が聞こえてきた。
 「……ぽが痛いと〜」
 最初は何と言ってたのか聞き取れなかったのだが、幸いにもその声の主は、同じ言葉を3度も4度も繰り返してくれた。
 「ちん○が痛いと〜、ちん○が痛いと〜、ちん○が痛いと〜」
 何なんだいったい、と思って声のほうに眼を向けると、5階か6階か、小学4、5年生くらいの男の子がベランダに立っていて、ズボンの真ん中をギュッと握ってモミモミしながら、件のセリフを公園の方に向かって投げかけていたのである。
 想像するに、その子はちょっと前まで遅目の朝寝をしていたのだ。ふと、公園で遊んでいる友達の声が聞こえてきて、ハッと目覚め、外に飛び出した。友達もその子を見つけて、「一緒に遊ぼうよ!」とか声をかけたのだろう。もちろんその子はすぐにでも公園に向かおうと思った。けれど、ふと、自分のズボンの中が突っ張ってることに気がついた。
 どうして? どうして? 今までこんなこと一度もなかったのに。狼狽したその子は、どうしたらいいかわからずに、「ちん○が痛いと〜、ちん○が痛いと〜、ちん○が痛いと〜」とつぶやき続けるしかなかったのだ。
 わあ、今「その」瞬間に立ちあったんだなあ。男の子って、こういう反応するものなんだなあ。言ってることは間抜けだけど、これはちょっとした感動である。男の子は、こうしてオトナの階段を登っていくものなんだからね。……女の子にはこの感覚は分らないだろうなあ。ちなみに私の過去のその瞬間は親戚んちに泊まりに行ったときに起こったので、やっぱりすごく焦ったのであった(^_^;)。
 もちろん、その子のちん○がイタかった理由はソレではなかった可能性もありはするけど、寝てる間にイタズラ好きのお母さんが先っちょにカラシ塗ったとか。ないか。


 夜、『ドラえもんスベシャル』を見ていたら、映画に出てくるひみつ道具が25作全部で253個、というクイズがあった。今朝方、どこぞの教授さんが原作マンガの方を調べて1963個、と書いてたけど、アニメも全部含めて調べた人はまだいないだろう。誰かこれ、『トリビアの種』に送らないか。これを調べきれるようだったら、あの番組のスタッフもさすがなものと感心してあげてもいいけれど。


 大阪で警察にとっつかまった暴走族の中に、エンジンの爆音で「ドラえもん」や「メリーさんの羊」を演奏しながら暴走していたやつがいたとか。さすが、別名、珍走団と呼ばれるだけのことはある(^o^)。
 暴走行為自体のバカさ加減は今更言うまでもないんだけれど、「ドラえもん」鳴らすバカっぷりはまた一つ上を行っている。バカに対して、スタイルとか、ありようとか、そういうものを求めたってムダだということはわかっちゃいるつもりだけれども、仮にも反体制、反社会的行為を標榜する暴走族が、そんな軟弱なことして、みっともないとか、ダサイとか、全然感じなかったのか。仲間の誰も「何鳴らしてやがんだ、ふざけんな」とか言わなかったのか。
 この「似合わなさ」に本人たちが気付いてないってのが何だかなあ、なんであるが、既に現代の暴走族は、一昔前の行き場のない若さの情熱の爆発とか、そんなイメージとは無縁になってるのだ。「だってオレ、ドラえもん好きだも〜ん」ってなノリなんだろうね。やっぱ「珍走団」と呼んであげるのがヤツラにゃ「似合ってる」んじゃないか。


 こう立て続けだと、気が滅入ってかなりイヤになってくるのである。
 俳優の中谷一郎さんが、昨1日、咽頭がんのため死去。享年73。
 『水戸黄門』の風車の弥七のイメージが強すぎるようになってしまったが、まず俳優座の舞台役者であり、映画ではこの人もまた岡本喜八組の一員であり、その役の幅は広い。ついこの間もCSで『いのちぼうにふろう』に出演していたのを見たが、卑劣な同心役で弥七のカッコよさとは似ても似つかない。もちろん「名優」と呼んではばかることのない一人である。渥美清を「寅さん」としてしか認識しなかったのと同じように、こういう人を「弥七」としてしか見ようとしないエセ映画ファンが、日本の映画・演劇シーンをダメにしていったのである。もちろん、イメージでしか役者を見ようとしないマスコミの愚劣さも輪をかけて悪い。訃報も全部、「弥七死す」ばかりだ。弥七は死んでないだろうが(`´)。
 中谷さんの印象深い映画の出演作を挙げていくと、たいていが岡本監督作品ばかりになる。『独立愚連隊』の石井軍曹、『戦国野郎』の銅子播磨、『ああ爆弾』の矢東弥三郎……挙げていけばキリがない。遺作も岡本監督の『大誘拐』だった。

2003年04月02日(水) ハカセ暴走!/『漫画アクション増刊 9人の宮本武蔵』/『手塚治虫マガジン』5月創刊号
2002年04月02日(火) だから仮病じゃないってば/DVD『京極夏彦・怪 隠神だぬき』ほか
2001年04月02日(月) 桜の森の満開の下/『イギリス人はおかしい』(高尾慶子)ほか



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