無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年10月29日(火) A fluit of “H”/舞台『Bad News ★ Good Timing』/『超少女明日香 学校編』1巻(和田慎二)

 TBSが昨日、ビートたけしの短編小説集を映像化したドラマ『少年』を制作すると発表。中身は「ドテラのチャンピオン」「星の巣」「おかめさん」の3本立てオムニバスとなるそうで、これはちょっと見てみたいかな、と思ったのだが、問題はそのキャストである。
 主人公は3作品とも子役が演じるが、「ドテラ」に武田鉄矢と所ジョージ、「星の巣」にはたけし本人と豊川悦司が脇役で出演とか。これを報道ではどこでも「豪華キャスト」とか「大物キャスト」とか言ってるのである。
 えーっと、「大物」って、誰?(ー∇ー;)
 いや、私は別に武田鉄矢や所ジョージやトヨエツをバカにしたいわけではないよ。でも、このキャストを「大物」と呼称して、それを世間が納得すると思ってる感覚はいったいいつから誰が言い出したことなの? というか、そんな表現は今回が初めてで、「言ったモン勝ち」で押し切ろうというTBSの謀略(^o^)ではないかと思うのだ。
 一応さー、「大物」ってのはさー、演技力が高く評価されてるとか、主役何本も張ってて、その評価が高いとか、スター性があるとか、演劇界の重鎮であるとか、いろんなイメージがあると思うわけよ。
 で、例えば武田鉄矢の演技がうまいか?
 主役は確かに張ってるよねえ、『思えば遠くへ来たもんだ』とか『刑事物語』とか『プロゴルファー織部金次郎』とか『博多ムービー ちんちろまい』とか。『ちんちろまい』以外マトモに見てないけどな。テレビの『3年B組金八先生』を代表作と考えても、さて「大物」感は伝わってくるかねえ? 「日本映画の代表作を1本選べ」と言われて、あなた、『ちんちろまい』を選びます? 私は選んでもいいけど(^o^)。
 所ジョージの出演作って、私、『下落合焼鳥ムービー』と『まあだだよ』とテレビの『私は貝になりたい』しか知らないんですけど(『キッドナップブルース』にも出てたらしいが記憶にない)。
 トヨエツもねえ……主演作は多いけど、「トレンディ俳優」の印象しかないよなあ。映画は『12人の優しい日本人』と『八つ墓村』くらいしか見てないが、追っかける気にさせるほどの演技はしてないし。もしかして、この人たちは私が見てないところでいつのまにか「大物」になってしまっちゃってたのか。そんなち○ち○のような(^o^)。
 なんちゅーか、この人たちを「豪華」とか呼んじゃったら、他の役者さんたちに悪いなとか、そういう配慮は働かなかったのかいな、とそういう疑問が浮かぶわけよ。そりゃ、確かに前世紀の終わりにホントにホントの大物、三船敏郎とか萬屋錦之介とか勝新太郎とかバタバタ死んじゃったけどさあ、まだ仲代達矢とか緒形拳とかいるわけじゃん。若手だって、せめて真田広之とかだったら豪華と言えなくもないかなとか思うんだけど、どうしてあの三人で「大物」とか言ってて、恥ずかしいとか考えないのかね?
 そんなんで「豪華」って言っていいんだったら、ウンナンとダウンタウンと爆笑問題とキャイーンとネプチューンとダチョウ倶楽部と中川家が共演する映画作ったら、すっげえ豪華ってことになると思うがどうか。……あ、見たいわ、それ。 


 仕事帰り、車の中で、しげと駄弁っているうちに、ネットのことが話題になる。
 昨日もこうたろう君と「ネット生活始めて、世界が広がったねえ」という話をしてたのだが、基本的に私はネットで関わった人に対しては、みな同様に好意を持っている。中には諸事情で疎遠になってしまった人も何人もいるのだが、まあ縁があればまたヤリトリすることもあるかな、と気楽に考えているので、ショックを受けたり落ちこんだりはしていない。
 ところがそういう私の態度が、しげの悋気に火を付けてしまうのである。「人を嫌いにならない」というだけでヤキモチを焼かれてはたまったものではない。それではしげのジェラシーを押さえるためには私が全人類を憎むしか方法がないことになってしまうではないか。
 いつも繰り返している会話であるが、いい加減でヤキモチばかり焼くのはやめろ、と文句を言う。
 「夕べもこうたろう君と話したぞ、おまえは『不安神経症』だって」
 「なにそれ?」
 「だから、『自分が裏切られるかもしれない』って不安に思うから、『それなら最初から相手を疑ってた方が、実際に裏切られた時のショックが少ない』とか考えちゃうってことだよ」
 「そんなん当たり前やん。裏切ってないとかわからんし」
 「仮に裏切ってたとしても、それが死ぬまでバレなきゃ問題ないわけじゃん」
 「そう言っててさ、オレが死ぬときになって、『実はおまえを裏切ってたんだよ』って言われたらショックやん」
 「言わねーよ。それに、言ったとしてもすぐ死ぬんだから別にいいじゃん」
 「いやん」
 「何がイヤだよ! ずっと疑われつづけるほうがイヤだよ。だいたいおまえは俺がこうたろう君と電話しててもヤキモチ焼くだろ」
 「当たり前やん」
 「だからこうたろう君は男だろうが! おまえ、男だろうがモノだろうが絶対ヤキモチ焼くけど、モノとどうやったら浮気できるんだよ!」
 「なん、アンタ、『愛情は思いこみだ』って言っとったやん」
 「思いこまなくていい相手まで思いこんでどうする! おまえの言い方だったら、オレはホモでヘテロでマザコンでロリコンでフェチだってことになるじゃんか。なんでオレが世の中のヘンタイを全部一手に引きうけなきゃならんのだ!」
 「がははははははは!」
 「……な、どうした?!」
 「ひいひいひい、アンタが面白いコト言うから……げへへへへへへ!」
 「オレが何、面白いコト言ったよ?」
 「世界のヘンタイを一手にって……」
 「……『世界』じゃないよ、『世の中』だよ……あ、おまえ、俺が世界のヘンタイを全部演じてる様子想像したな!?」
 「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」
 ……このあともずっとしげは、思い出し笑いしながら車を運転していくのであった。危なっかしいったらないが、未だにわからない。「世界のヘンタイ」って、そんなに可笑しいか? 


 ちょうどリンガーハットに愛上さんが入っている時間だというので、二人で寄ってみる。
 覗いたとたん、「いらっしゃいませ」の声が愛上さん。
 驚いたような可笑しいような笑顔。しげもいつも着ているリンガーハットの淡いピンクの制服を来ているが、もちろんしげよりほっそりしている。一時期ちょいと太りギミであったがも少しスマートになったようだ。名札にはしっかり「研修」の二文字。
 「お好きな席へどうぞ」の声がなんとなくおっかなびっくりである。
 もともと少しハスキーなところのある愛上さんの声だが、注文を取る時はやはりやや甲高くなる。しげなんか耳に響くくらいにキンキン声になっちゃうのだが、これもいわゆる職業病というやつか。
 そんでもって、やっぱり「ご注文は以上でよろし『かった』ですか?」と過去形。注意はされてるはずだと思うが、なぜここまで蔓延するかなあ。集団で意識の変革が起こったとしか解釈のしようがないな。
 リンガーの制服、はっきり言ってあまりかわいらしいものではない。もちろん往年のアンナミラーズではないのだから(今はどうなってるか知らん)、別に色気を振りまく必要はないのだが、せめてあのなんの愛想もないただの円柱型の帽子はなんとかならんものか。イマイチ愛上さんに似合っていないのである。
 でも、店に来る客は当然なにも知るまいが、この子が既に二人の子持ちであると誰が見抜けようか。だってまだ21歳か22歳だし。そうかヤンママだったか(^o^)。
 いつもの通り、皿うどんセットを頼むと、
 「餃子を一口餃子に代えられますがいかがいたしますか?」
 そう聞かれて、断れるものではない。営業トークだとはわかっていても(それが愛上さんでなくても)こういうセリフには弱いのである。女で破滅するタイプだよなあ、オレ。もうしてるか(-_-;)。
 注文を取って引っ込む時に愛上さんがボソッと「……びっくりしました」と呟いたのがかわいらしかった。全く生活臭さがいい意味で身につかないヒトである。
 家庭に入ってしまったために、劇団のキャストとしてはなかなか板の上に立ってもらえなくなってしまったが、ウチでは一番の演技派なんで、しげたちももっと愛上さんをうまく使う方法、考えてほしいものなんだが。
 食事のあと、「愛上さん、かわいらしかったなあ」と呟いたら、しげ、即座に「惚れたらいかんよ」と突っ込む。
 だからどうしてほんのちょっと人を誉めたただけでヤキモチ焼くのかな。だから私は世の中のヘンタイを一手に引き受けてるわけでは……そこで笑うな、しげ!


 WOWOWで舞台『Bad News ★ Good Timing』を見る。
 裏で「BSマンガ夜話」を録画してるので、片時も見逃せない。ついついテレビに齧りつくように見てしまったが、考えてみたらこれもDVDで出てるので、買えばいいだけのことであった。金はあるのか。
 作・演出は三谷幸喜。三谷さん、映画の演出で役者を動かす楽しみを思い出したのか、何年か前までは舞台の演出を山田和也氏に任せて脚本だけに専念していたのが、ここしばらくは勢力的に自ら演出を担当するようになっている。やはり基本的に、脚本家は演出も手がけたほうが解釈におかしなところが出ずにすむもので、これは悪い傾向ではない(でも池田成志君に脚本投げわたしたりしてるのは無謀だと思うぞ)。
 お話は三谷さんお得意のすれ違い勘違いコメディ。三谷さんの手の内はもうだいたい見当がついているので、先の展開はほぼ読めるのだが、やはり伊東四郎と角野卓三、この二人の呼吸がいいので退屈するコトがない。
 逆に言えば、この二人が出てくるまでのギャグがことごとく滑り巻くっているのがチトきつくはあった。うーん、沢口靖子、最近、随分うまくなったと思ってたんだが、間が悪いなあ。生瀬さんも演技過剰でどうもキャラクターをつかみきれていないウラミがある。ベテラン二人と組んで緊張したのかなあ。まあこの二人と組んで緊張しない役者もいないだろうが。

 ある結婚式場で、新郎・哲郎(生瀬勝久)と新婦・奈々美(沢口靖子)は、今日が結婚式当日だというのになぜか落ち着きがない。実は二人の父親は、一世を風靡した漫才コンビのエントツ(伊東四朗)と、とんかつ(角野卓造)。しかし、十年前につまらぬケンカでコンビを解消して依頼、今も絶縁状態。しかも二人の結婚を、まだ親たちには伝えていなかったのだ!
 一触即発の親たちに二人はどうやって結婚を認めさせることができるのか!?

 まあ、結婚式当日まで二人の間柄を秘密にしてるなんてシチュエーション自体、相当無理があるのだが、三谷さんの脚本で無理がなかったことはないので、それはもうあまり問わないことにしましょう。
 大傑作は作れないけれど、そこそこの佳作を連発する才能というものを認めてこそ、喜劇の発展はあるというものである。三谷さんにプレストン・スタージェスやビリー・ワイルダー、ニール・サイモンを求めるのはなんぼなんでも酷だよ。
 実際、脚本のキモである、二人の結婚式を親たちが「自分たちのコンビの再結成を画策してる」と勘違いさせるための伏線が弱い。そしてその勘違いが勘違いだと分るまでの引きに明確な理由がない。ウェイターの八島智人が事情を全て知ってるのに傍観してるだけってのはどういうことかね。少なくとも、今や議員となったとんかつが辞職しようというのを止めきれないのはちょっと納得がいかない。
 なまじこれまでに勘違いコメディをたくさん書いてきているだけに(特に『君となら』は秀逸だった)、今回の脚本はいかにも雑である。それでも「見られる」ものになっているのは、やはりベテラン二人の力によるものなので、三谷さん、お二人には頭が上がらないと思うよ。


 マンガ、和田慎二『超少女明日香 学校編』1巻(メディアファクトリー/MFコミックスフラッパーシリーズ・580円)。
 表紙が変身前のチンクシャバージョン。
 でも、変身後の明日香は全く好みじゃないので、こっちのほうがいいな(〃∇〃) てれっ☆
 本編でもちょっとしか変身してないし。
 『学校編』とあるが作者後書きによれば『学校に行こう!編』であるそうだ(^o^)。そう言えば、今までセーラー服を着てるわりに学校に通ってなかったよな、明日香。……だれが着せてたんだ? あのセーラー。
 けど、なんと言っても今回最高に嬉しいのは、あの人が出てくれたことである。
 そうっ!
 平泉成!……じゃなくて、沼重三先生であるッ!
 和田慎二の、作品と作品をリンクさせるやり方が嫌いな人もいるようだが(しげもそうである)、別に『ピグマリオ』とリンクさせてるわけじゃなし、永井豪や松本零士みたいに見境なしじゃないから、これは私は許容範囲。確かに明日香が頼れそうなオトナって考えたら、沼先生は一番の適任だよな。戸籍のない明日香に色々と裏工作もしてあげたようだし(^o^)。
 一也「いろいろ言われたでしょ、市役所とか教育委員会」
 沼 「うるさいことをぬかすからしかたなく……ちょっとな。いやもちろん暴力なんか使わんよ」
 何使ったんだ沼先生(^_^;)。
 ……今気づいたが、私が教師に抱く理想像って、沼先生に近いな。熱血教師もプロ教師も結局は理屈こねるばかりだしね。もちろん、沼先生にも和田慎二の理想が過剰に映し出されてる分、説教クサイ面はあるのだが、とりあえず「行動」してるし。教師が生徒のために権謀術数を使わんでどうするかってなもんだよな。
 こういう先生に教わっていれば、私もこんなヒネクレた人生は送らなかったかもしれない(んなことないか)。 
 しかし沼先生の微笑む顔が見られる日が来ようとはねえ。21世紀だなあ(意味不明)。

2001年10月29日(月) 「ばびゅーん」の語源は『宇宙少年ソラン』から/『黒鉄 <KUROGANE>』5巻(冬目景)
2000年10月29日(日) まあスクルドがかわいかったからいいか/アニメ『ああっ女神さまっ 劇場版』ほか



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