無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年06月06日(木) つまりシロクマって保護色?/『愛はめんどくさい』(まついなつき)/映画『原子怪獣現わる』ほか

 今日は職場で敷地内の除草をする。
 ウチの職場では定期的な作業なんだが、私が「今日はオレ、ジョソウするよ」と口にするたびにしげは笑うのだ(説明の必要はないですね)。けれど笑われるこちらのほうがいい加減シラケてるんだが。
 作業が遅れて、しげ、また駐車場で待たされる。
 けれど、今日は予め「遅くなるかもしれない」と言っておいたにもかかわらず、しげ、またブチブチと文句を垂れる。気を遣っても遣わなくても結局は文句言われるんだったら、最初から何も言わないほうがマシじゃん。
 こういうときは会話するのも億劫になるので、車の中ではずっとそっぽ向いてた。おかげでしげ、ますます機嫌が悪くなるが、こちらも付き合えるエネルギーがないときはどうにも仕方がない。

 一応、嫌ってるわけじゃないことを示すために、今日もしげのバイト中にリンガーで食事。
 西日本限定(これが多いな)の「麺'sサラダの中華タレ味」のBセット。要するに皿うどんをクレソンやらプチトマトやら生野菜であっさり仕上げたということなのだが、これが結構な美味。「ひとくち餃子(9個)〜特製からかじゃん味〜」をつけて930円だけど、社員割り引き券をもらってるので20%引きの744円。 しかも今日はどういうわけだかコールドドリンクもサービスしてもらえた。素直にラッキー♪ と思ったけれど、しげの身内だってことは知られてても、こういうサービスを受けたことは今までに一度もない。どうして今日に限って? と首を捻ったが、もしかしたら、こないだここで『クレヨンしんちゃん大全』を読んでるのを店員さんに見られてたのが原因だろうか。しげの話によれば、相当ウケてたみたいなんである。そのお礼(?)だとしたらトシを顧みず(顧みたことなんてないが)『クレしん』ファンでい続けたことによる唯一の幸運であろうか。ホントに唯一だったらサビシイが。
 けれど、こういうタナボタ的幸運があると、それがどんなに些細なことであっても、なんだか随分得した気分になる。この程度で機嫌がよくなるんだから私の脳も単純な構造してるけどな。


 唐沢俊一さんの「一行知識掲示板」に、ご本人が「白熊は自分の体で唯一黒い鼻の頭を見つけられないよう、アザラシなどを狩るときは片前足で鼻を隠しながら近づく」と書きこまれていた。
 あっ、これはシティボーイズライブでいとうせいこうさんが言ってたギャグではないか。私ゃてっきりこれ、いとうさんご謹製のギャグだとばっかり思ってたのだが、もしかしたら有名な都市伝説(都市じゃないけど)なのだろうか。
 この書きこみにも早速レスが付いたのだが、「第7回アメリカ横断ウルトラクイズの後楽園第一次予選(○×クイズ)で出題された問題です。ちなみに正解は×でした(笑)」とのこと。するってえと、ウルトラクイズの作者の創作なのかな。フォークロアはそのルーツを探るのが容易じゃないんだが、これはなんとかもとネタが手繰れないものかな。
 いや、「そんなん調べてどうする」って言われりゃそれまでだけど、こういう無意味なことを調べるのが楽しいのよ。早速、ネットで調べてみると、第7回の放映は1983年8月14日。当然の如くいとうさんがライブで披露する10年以上も前だ。問題はそのクイズを作ってたのが誰かってことだけど、これが誰かが解らない(いとうさん本人だったりして)。仮にスタッフの資料が見つかっても、多分何十人もの放送作家が関わっているから、その中の誰がこのネタの作者であるかを特定するのは難しかろう。
 というわけで早々と調査は挫折(^_^;)。誰かヒマ人、調べてくれ。

 しかし考えてみたらシロクマ、これじゃ鼻隠すだけじゃなくて目もつぶらないといけないよな。ハナからムリじゃん(おお、シャレが決まった♪)。


 泡坂妻夫・折原一・霞流一・柴田よしき『ミステリ・アンソロジー�掘〔�室レシピ』(角川スニーカー文庫・560円)。
 泡坂さんの名前に釣られて買ったようなもんだけど、見事なくらいに他の作品がカス。しかもみんな『名探偵コナン』や『金田一少年』以下の超低レベル。よくこれで作家やってられるなあって腹立つくらいだ。
 そんなクソ作品でも、ネタバラシだけは礼儀としてしないが、全作について言えるのは、もちっと「密室」がなぜ作られねばならなかったかってこと、マジメに考えろってことだ。
 折原一『トロイの密室』。現場にいりゃ、そんなトリック、ガキでも見抜くわ。
 霞流一『タワーに死す』。だから誰でも思いつくけどバカバカしいから誰も書かないトリックを堂々と書くなって。
 柴田よしき『正太郎と冷たい方程式』。宇宙モノにする意味ないよ。それどころか、この作者、小学生程度の算数能力もない。寝惚けてこれ書いたかトチ狂ってたかのどっちかだ。これまで読んできたミステリの中でも最下層に位置するクソ作品。SFファンのみなさん、間違っても『方程式』シリーズを期待しないようにね。
 泡坂妻夫『雪の絵画教室』。唯一のオアシス(^_^;)。
 けれどこれも泡坂さんのチェスタートン式ミステリに慣れてないと、まず現実離れしたキャラクター自体に感情移入できない読者も多かろうなあ。これもトリック的にはたいしたことないし。
 名作アンソロジーならともかく、こういう新作競演って、クソになる場合が多いが、「傑作を書いてはいけない」なんて不文律でもあるのか。
  

 まついなつき『愛はめんどくさい』(メディアワークス・1050円)。
 実はまついなつきの本を読んだのはこれが初めて。
 興味はあったんだけど、あまり本屋で見かけないもんでさあ(^_^;)。イラストとかでは見たことあるんだけどね。でもこれもエッセイ本なんで、マンガ本は未だに読んでないんだよな。
 エッセイ本というとオシャレに聞こえるけど(そうか?)、中身は嫁姑戦争を楽しく描くってコンセプトがなぜか最後は離婚になっちゃったという、笑っていいのかいけないのか、これはこれでまあ楽しいのかもって感じのバクロ本。バクロ本なんて人聞きの悪い呼び方は作者には失礼かもしれないけれど、なんかそんな雰囲気漂ってるんで(^_^;)。
 率直なこと言っちゃうと、ヨメとシュウトメどっちが正しいか、なんて真剣に考えてもしょうがない。正しかろうが間違ってようが、付き合わなきゃならない相手とは付き合わなきゃなんないんだからね。だから実はまついさんがヒス起こしてコワレていく過程なんてのは「ふーん」てなもんで読んでた。
 面白いと思ったのは、そういうメインの部分ではなくて、夫のマチダさんのグータラぶりだったりする。ともかく結婚して以来、まついさんの稼いだおカネで暮らせるものだから、どんどん仕事をしなくなっていくってのが男のホンネを覗かせていて微笑ましいね(←皮肉だ、皮肉)。カメラマンって職業、仕事があるときはあるけれどもないときは徹底的にないってことを妻のまついさんは一所懸命理解しようとするんだけれど、それが幻想と言うもの。自分を騙して誤魔化しているのだね。
 私は写真の良し悪しなんぞ全くワカランどころか、シロウトとプロの差なんて実はたいしてないんじゃないかとか、不遜なこと考えてるやつなんで、仕事がないのは腕がどうこう言う前に、単にサボってるだけだろう、としか思えない。よく八年もガマンしてたよな、まついさん。旧弊な家族のしがらみなどとは全く無縁そうに見えるまついさんにして、やっぱりどこか「幸せな家庭」なんてのを夢見てた部分があったんだろうなあ。結婚にそんな幻想は邪魔なだけだと思うけど。
 出版されたのは一年前なので、今は三人の男の子を女手一つで育ててるってことなのかな。まついさんのホームページでの近況報告では、元ご主人は別れたらちゃんと仕事をするようになったそうである。そりゃ養ってくれる人がいなくなればそうするしかないわな。だから亭主がグータラだったり女房がグータラだったりしたら、何も気にせずさっさと別れちまえばいいのである。
 え? オマエのウチはどうだって?
 今んとこどっちもグータラだからなあ。別れて背中向けて歩いてったらまた地球の裏側で出会ったような感じですかね。まあリコンするようなことがあったらその過程も正直に日記に書きますわな。


 以前録画していたビデオ『原子怪獣現わる』を見る。
 説明するまでもなく、日本の『ゴジラ』に先立つこと1年、放射能怪獣の元祖映画である。架空の恐竜、リドサウルスをアニメートするはこれも説明いらずのレイ・ハリーハウゼン。このころはまだ「ダイナメーション」って言い方はしてなかったんじゃないかな。
 部分的には見ていたけど、じっくりと最初から最後まで見るのは初めて。
 けれど映画としてみると『ゴジラ』の足元にも及ばないのは一目瞭然。ブラッドベリの『霧笛』そのままに映像化しとけばよかったのになあ。
 そのあたりが、明らかにこの『原子怪獣』にインスパイアされたと思しい後発の『ゴジラ』の方が、世界的にも圧倒的に評価されている原因の一つになっているのだろう(ただし、『原子怪獣』の日本公開自体は『ゴジラ』の一年後なので、明確なパクリとは言えない。田中友幸プロデューサーは、「原子怪獣の映画がアメリカで作られている」という情報のみで製作を支持しただけだから。ましてや円谷英二は全く見ていないだろう)。
 やっぱり、あのテレビ塔を襲うゴジラのシーンに代表されるような、怪獣と人間との絡みが、ほとんどこの映画にはケツラクしているのだね。つまりこの映画には映画を成立させるためのドラマがないのだ。
 誰ぞが「放射能の恐怖はこの『原子怪獣』の方がより表現されていた」とか言ってたが、全然そんなシーンないぞ。出てくるアメ公、核に対しても全然警鐘を鳴らそうとしてないし。恐竜の血で人がバタバタ倒れて行くのだって放射能のせいじゃなくて、「病原菌のせい」とハッキリ言ってた。
 ともかく恐竜が簡単にやられすぎ。特撮費ケチったんじゃないかと言いたいくらいラストのシーンもあっという間に終わる。当時のモデルアニメーションの技術では、画面を動かすこと自体ができないから、その点でも迫力に欠ける。アメリカが『ゴジラ』をリメイクしながら、実はその設定やストーリーライン、デザインなどを多く『原子怪獣』の方に寄ったのは、やっぱり自分とこの映画が『ゴジラ』に負けたウラミを晴らそうとした結果なんじゃなかろうか。まあ、結局また負けちゃったわけだけれど(^o^)。


 夜中、寝ていると、突然しげが泣いてすがりついてくる。
 ビックリして目が覚めたが、どうやらまたいつもの情緒不安定らしい。いつものとは言っても、ここしばらくはそういうことがあまりなかったので、油断していた。やっぱり今日、無視したりしてたんで、淋しくなったんだろうか。
 おかげでまた眠れなったが、だからこういうのは私の体力がある時にしてくれって(-_-;)。

2001年06月06日(水) フォークって民謡って意味なんだが/『メトロポリス』(手塚治虫)ほか



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