無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年04月22日(月) 全国の○○はみなアホか?/『てけてけマイハート』2巻(竹本泉)ほか

 いつものように、朝方、しげに車で職場まで送ってもらおうと思ったのだけれど、「ごめん、からだがキツクて動かん」というので、仕方なく久しぶりのタクシー通勤。
 時間に余裕のあるうちに出かけはしたが、運ちゃんが道をちゃんと辿ってくれるかどうか心配で落ちつけない。時間はかかるけれど、やはりしげに送ってもらうのが一番気がラクだ。
 

 ある事情のために、職場について悪口を書くことは極力避けてきた。
 今回も私がどういう職種の人間であるかとか、何という会社に勤めているかとか、そんなことを書くつもりはない。その事情を察していただいた上で読んでいただければ幸いである。

 かつて、プロ野球の某球団に「ベンチがアホやから」と嘯いたピッチャーがいた。ベンチの指示に従った結果、打たれて敗戦投手となった時の弁であったと記憶する。実際、それが酒の席で愚痴のような形で発せられたのであれば、たいしてマスコミを騒がせることにもならなかったと思う。
 しかし、その発言は試合の敗戦後、まさしく「ベンチ」で発せられた。そこにいた誰もが彼の発言を耳にしていた。問題にならざるを得ない。結果、そのピッチャーは「解雇」された。
 しかし、「問題」が加熱したのは実はその後だ。
 そのピッチャーは、決して無能なわけではなかった。
 彼の「ベンチはアホ」という指摘が、愚痴ではなく、紛れもない事実であった、と大衆がそう思ったことが「問題」を拡大化させたのだ。
 組織の中の一員としてある以上、「どれだけの責任を果たした上でモノを言っているのか」ってことは当然、糾弾されることではある。しかし、負けが混んで来た球団が、その責をそのピッチャーに押しつけた、あるいは、以前からトラブルの火種となりそうだったその投手を始末したがっていたのを、「過激発言」をきっかけにこれ幸いと首切りした。大衆はそう捉えたのだ。
 「組織の論理」のみが優先され、大衆がプロ野球に本来期待していたものが無視された。だから客はその球団に本気で怒ったのだ。プロ野球界のそういった「組織」の裏事情がどんどん暴露されていった時期のことで、そのころから私は殆ど野球の試合を見なくなっている。
 特に結婚して以来のこの十年は、テレビで野球中継にチャンネルを合わせたことは一度もない(知り合いとの付き合いで実際に球場に出かけ、応援したことはあるが、そのときは徹頭徹尾「演技」を通した。……自分でも「優秀な」役者だと思う)。

 不況である。
 ここ数年、ウチの職場では、全社員が給料カットの憂き目にあってはいたが、ともかく事情が事情だけにガマンしていた。
 「給料をモトに戻す」。その発表があったのがつい先日だ。
 まあ、微々たる増額ではあるが、うれしくないわけではない。ところが、ここへ来て、幹部連中は「社員全員」に対して、勤務内容の15%アップ、更には10%の無償労働の増加(要するに残業してタダバタラキしろってこと)を通告して来たのだ。
 あのさ、給料がモトに戻ったって言ってもさ、それって、月に七千円弱なんだよね。それが、これだけの労働の増加に見合うと、そして社員がそれに唯々諾々と従うとでも思ってるのかね?
 もちろん、そうは思ってないから、いや〜ないや〜なカードをちらつかせてくるのである。幹部連中、従わない者は「解雇」……とまでは言わないが、部署転換くらいのことはあるかも、だと。
 反発覚悟の上でそこまでやらなきゃならないほど、ウチはビンボーなのか。そうではない。まず確実に、ウチはいろんなとこといろんな癒着があるのだ(えいくそ、マジで実名挙げたくなるぜ)。だから無理無体な経営方針をも、その「いろんなとこ」の利益のために強行しようとしているのだ。
 この腐れた根性でウチの職場は経営されてる。「ベンチがアホやから」どころの話ではない。幹部連はクズとゲスと外道の集団である。
 既に沈む船からネズミが逃げるがごとく、ウチの職場を離れていこうとしている人もいる。
 さて、私もいずれそうすべきかどうか。

 そのあたりをやりあった腐れた会議が長引いたため、またもやしげを駐車場に待たせてしまう。
 朝方、具合が悪そうだったしげ、夕方になっても具合が悪そう。
 「待たせて悪かったから、なんでも好きなもの奢るよ」と言ったら、「ホントにいいと?」と嬉しそうな顔。
 「どこがいい?」
 「『めしや丼』か、『すし大名』」
 「『すし大臣』だよ(--#)」
 「だってアンタもそう言ってたじゃん」
 以前、この日記にうっかり店の名前を間違えて「すし大名」と書いて以来、しげは、にくじゅのごと(博多弁で「いやらしいくらいにシツコク」の意。これも若い博多人には全く通じない)、すし大名、すし大名、すし大名、とお題目みたいに繰り返してるんである。
 「わかったよ、いいよ、『すし大名』で」
 しげ、奢りなのでばかすか食べるつもりでいたらしいが、どうやら体調は朝方からイマイチ回復していないらしい。
 8皿ほど食べて、「もう食べきらん」と言う。
 ……あの、結構食べてるじゃん、と思わないようにね。普段は十数皿は軽く食べるやつなんスから。
 けど、来るたびに思うけど本気で高いよなあ、この寿司屋。
 上トロが一皿、850円だものなあ。さすがにそれには手をつけず。カニ汁が220円、これも私は来るたびに食べているが、先にカニの身を全部食べてから、味噌汁を啜るのが、風味がちょうどよくていい。
 大盛りのウニも850円、これにも手をつけず。結局、300円前後の皿ばかり選んで食べる。珍しくイワシかなにかの炙りものが一皿だけ流れて来たので、しげと
二人で、乗っていた二個のものを一つずつ分けて食べる。
 ……昔から「回転寿司はどうして二個セットでひと皿なのか?」と疑問に思ったことがあるが、この「分け合う」ために二個ずつ流してるのだろうか? 実はこういう疑問こそが、正解を出すのに一番苦労させられるのである。……だって、何をどう手がかりにすればいいのよ(^_^;)。 


 毎日『アッパレ戦国』の余韻に浸っている私であるが、ふと、今年は去年みたく同人誌は作れないのかもなあ、と考えていたら、「そう言えば、去年の『オトナ帝国の興亡』、どれだけの人がネットに感想を書いてるかな」と気になった。
 私は基本的に、いったん自分が発表したものは読み手のものになったと解釈しているので、誰がどんな感想を寄せてるか、なんてことはあまり気にならないのである。
 だから「つまらない」と思われても別に怒らない。しげがしょっちゅう私の日記似ついて、「つまんねーよ」と言ってるので、それが原因で夫婦喧嘩になったりしてないかとご心配の向きもあるかもしれないが、その手のケンカは全くしたことがないのだ。ウチのケンカはたいてい「今晩のメシはどうするか」で意見が別れる程度のごく瑣末的なものばかりなんだよね。
 で、Googleを使って「オトナ帝国の興亡」を検索してみたが、数件、日記に感想を書かれている人がいるのを発見する。
 概して全体の感想で、個別の記事についての感想はあまりない。けれど、読んだ人は殆ど楽しんで、「買ってよかった」と思ってくれてるらしい。ああ、よかったよかった。
 「中には暴走気味のものもあるが」とか書かれてるのは、間違いなく私の原稿のことであろう(^_^;)。……いや、ワザと暴走させたんだから、それはそれでいいんだけども。
 考えてみたら、一部買ってくれたよしひと嬢の感想、まだ聞いてなかったんである。身内からやっぱり見捨てられてるよなあ、私。


 夜、ぴんでんさんから電話、借りていたデジタルビデオカメラを返しに久留米から出てこられるとの連絡。
 それだけのためにわざわざお越しいただくというのも全く申し訳ない話だ。
 しかもショートケーキのお土産つき。うーん、そんなに気を遣っていただかなくてもいいのになあ。しかも、口内炎がひどいとかで、ぴんでんさん、声を出すのも辛そうである。それならしげに久留米までビデオ取りに行かせるんだった。
 どうもすみません、ぴんでんさん。……と思っていたが、お会いするなり、「いやあ、『アッパレ戦国』見て来ましたよ。おもしろかったけど金はらってまで見るもんじゃないですなあ」とカマしてくれたので感謝は帳消し(^o^)。
 いや、ぴんでんさんのオタクフィールドは『宇宙猿人ゴリ』だの『鉄人タイガーセブン』だの、マイナー特撮モノが中心なので、映画の王道と言えば王道過ぎる『戦国』がかえってつまんないのは当然と言えば当然なのである。
 にもかかわらず、ぴんでんさんは「面白いですよ!」の私の言葉にウカウカと乗せられて(『オトナ帝国』はぴんでんさんにも面白かったようなので、そればかりではないだろうが)、ご覧になってくれたのだ。こういう態度、ウチの劇団の連中にも見習ってほしいものである。
 当たり前過ぎることを何度も書くのは気が引けるのだが、「貶すなら見てから貶せ」なのである。こう言うと「つまんないものをムリヤリ見なきゃならんのか」と言って反論した気になってるアホンダラが、世間にゃやたらいるのだが、だから、見なきゃつまんないかどうか、分るわけないやん(-_-;)。なぜこんな簡単な理屈がワカランのかね。
 オタクの大半が人格者であるのは、自分の趣味を大切にする分、他人の趣味も尊重できるからだ。他人の趣味に対しても、自分のそれと同様に、相対的な価値観というものを認めているのだ。
 しかしそれは、本来はオタクの専売特許なことではなくて、一般の人間もそうであってしかるべきことでもある。けれどオタクでない人間は、たいていそこを履き違えてて、他人の趣味を「拒絶」するために、「趣味が違う」とか「嗜好が違う」とか言いたがるのな。それは明らかに他人の人格の否定であり、差別なんである。
 まあ、オタクが全て人格者だと断定まではしないが(ひでえオタクも知ってるし)、少なくとも、「しんちゃん見てるやつ」なんて単純な「オタク差別」だけはしないでほしいものである。

 わざわざ来てくださったのだから、せめてものサービス、というつもりで、アニメ『サイボーグ009』のDVD、本放映時にはへにょへにょのふにゃふにゃになっていた第2話のリテイク版をお見せする。あまりサービスになってないかもしれんが(^_^;)。
 作画監督の大森英俊さん、大変ガンバっているのだが、改めて見てもやはりもとがひど過ぎるから、「おお、こんなによくなって!」というほどの印象はない。しかし、新しく作画されたウルトラシリーズ風シルエットエンディングはやっぱりカッコよくて、ぴんでんさんも「おお」と感嘆される。けどこの程度で客を釣ろうっての、ちょっとインケツだよなあ。
 特典の009の初期バージョンフィギュア(防護服が緑色)ってのも、ほしい人にとっては垂涎のものかもしれないが、さすがにフィギュア系にまでは私は手を広げてないので、「こいつのせいで割高になってるじゃん」と、ちょっと腹が立つのである。
 他にもいろいろとヘンなものお見せしたかったが、夜も遅いので、『パワーパフガールズのBOXをお見せする程度に抑える。これも中身は「風船、ストラップ、マウスパッド、要らないものいっぱい」って感じ? ……特典つけるなら映像特典つけてくれ〜(T∇T) ウウウ……。


 マンガ、竹本泉『てけてけマイハート』2巻(竹書房/バンブーコミックス・680円)。
 カバー、折り返し、カバー下の表紙のイラスト、ほぼ全てで主人公の早坂のぞみ、酔っ払っている。
 ……まあね〜、外見は女子中学生にしか見えなくても、中身は25歳のオトナなんだから、問題は何もないのだが、これって、やたら規制の厳しい「子供がマネしたらいけないから、マンガの中でも学生に酒やタバコを吸わせちゃダメ」って
ことに対する竹本さんの反発……???
 じゃないよなあ。仮にそうだったとしても、そんな「オトナの事情」なんて全く感じさせないくらいほんわかした作風だ。そんな裏ヨミ、竹本さんのマンガには似合わないね。
 私は実は、主役ののぞみよりも、恋人の吉田しげるくん(教師)の教え子の東岡くるみの方が好きなのだ。毎回毎回、吉田くんの授業中に、のぞみとのデートの様子なんかを質問して授業妨害してるのがか〜い〜ったら(^^*)。 
 しかし、キャッチコピーが「噂の超プラトニック・ラブコメ」って……いや、そりゃ、えっちにはなりそうにないけどさ、そう断定されちゃうのも、ねえ(^_^;)……のぞみちゃんと吉田君、最終回になっても手一つ握れないままで終わるのか? いや、既に吉田君、のぞみの下敷きになったことはあるみたいだけど(のぞみが階段から転げ落ちて)。

2001年04月22日(日) おしゃべりラブ/DVD『キングコング対ゴジラ』ほか



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