無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年02月01日(金) 餃子、餃子、餃子〜、餃子を食べぇよおー♪/『真・無責任艦長タイラー�ァ”�活編』(吉岡平)/『東西奇ッ怪紳士録』(水木しげる)ほか

 血便が止まったと思ったら、また復活。
 なんだかもう、一生付き合うしかないのかって気になってきたなあ。いや、血を出すのは一向に構わんのだが、このなんとも言えないカラダの重さっつーかダルさっつーか、眩暈が何とかなってくれりゃあいいのだが。

 仕事が片付いて、帰ろうとした瞬間に仕事が舞いこむ。
 別に仕事をするのは構わんのだが、どうしてもう少し早目に連絡してくれないものかな。何かこちらが帰るのを見透かして、その直前にイジワルでもしてるかのようだ。
 「今日は時間通りに帰れるよ」と連絡して、しげを呼んでおいたのに、職場を出たのは10分遅れ。しげ、私をウソツキ呼ばわりする。……でも、いつも叱られてるからって、こういう時だけ怒鳴り散らすって、なんか人間がせせこましいよな。

 アニメ『クレヨンしんちゃん』見る。
 今日は「ドアが壊れちゃったゾ」「こっちのおイモが食べたいゾ」の二本。
 毎週、安心して見られるアニメなんて、本当に『クレヨンしんちゃん』くらいしかないが、それはシンエイ動画が長年の経験でちゃんとスタッフを育ててきた成果であろう。単に無難に仕事をこなすんじゃなく、スタンダードの中にスタッフの個性が光っているんである。作画監督ごとの味わいを楽しめるのも、『うる星やつら』以来じゃなかろうか。
 そんなことをつらつら考えてたのも、Aパートの作画が、思いっきりデフォルメされてたから。何しろみさえの目とシワの区別がつかないくらいで(^^)。
 こりゃてっきり、湯浅政明さんの仕事かと思って、スタッフ表を見てみたら、作画監督は大塚正美さん。ああ、そうだった、大塚さんも極端なデフォルメする人だったっけ、と、まだまだ未熟な自分のオタク度に赤面。しげには「間違えたやん」とバカにされるし、やっぱりもっともっとアニメを見ないとなあ。


 『ミュージックステーション』について、この日記に書くことはあまりしてないが、ちょくちょく見ちゃいるんである。
 ただ、アイドルの名前も曲のタイトルも、もう覚えきれなくなっちゃってるんで、日記に書こうと思っても、「ええ〜っと、なんか女子高生の格好してメガネかけた金髪の女の子が踊りながら歌ってたんだけどかわいかった」みたいなアホな文しか書けないのである。まあ、実際、アホだから構わんと言えば構わんのだが。
 じゃあなぜ今日は書けるかといと、「観月ありさ」が、『ヒカルの碁』のエンディングソング、『ヒトミノチカラ』を歌ってたから(^^)。
 あ、曲はいい曲ですよ。
 あともう、二、三週したら、詞も覚えて、カラオケのマイ・レパートリーに入れるつもりです(何をそこまで一所懸命になってるのか)。
 でも、なんかもー、端切れをベタベタくっつけたよーな衣装に、ドレッドにし損なったようなヘアスタイルで、もうオジサンの私にはこれのどこがいいのか皆目見当がつかない。それよりもなによりもムチャクチャ太ったぞ観月ありさ。
 その二重顎はなんなんだ。『ナースのお仕事』映画版の仕事はちゃんとやれてるのか。もっとも、私は『超少女レイコ』には引っかからなかったので、観月が満月になろうが別にかまわんのだが。


 しげは、今日は仕事が早上がりだというので、1時を過ぎて、ブックセンター・ホンダに行く。で、一緒に食事。どの店に入るか、いつもひと悶着があるのだが、今日はしげに目算があったらしく、すんなりとリンガーハットへ。
 ただし、入ったのはしげが働いてる空港通店ではなく、諸岡店の方である。……やっぱり自分の同僚が働いてるとこにノコノコ食事にゃ行きづらいわな。

 リンガーハットでは、1月10日から、「ひとくち餃子」のキャンペーンをやっている。
 しげが大の「肉」好きであることは、この日記にも何度となく書いているが、中華料理に関しては「餃子」フリークである。実際、しげのお眼鏡に敵う餃子はなかなかない。
 なのに、思いっきりチェーン店の大雑把な味であるリンガーの餃子がしげの好物ってのは、ちょっと首を捻りたくはなるが、私も新発売の餃子があると聞けば、一つ食してみたいとそぞろに心は動く。
 というわけで晩飯は餃子に決定。
 なんでも西日本限定のフェアらしく、「関東・関西・中京地区の店舗では『ひとくち餃子』は販売しておりません」とのことである。関東方面にお住まいの方にはゴメンナサイ。
 ……いや、うまかったんだわ、これが(* ̄∇ ̄*)。
 味が3種類用意されていて、さて、どれを選ぶか迷う。
 「ホットマヨネーズ味」、餃子にマヨネーズ? と訝られる向きもあるかもしれないが、タコ焼きにだってマヨネーズをかけるのだから、餃子に合わないってことはない。容易に味が想像できるし、ハズレでないことは確か。
 「特製からかじゃん味」、唐辛子と赤いパプリカを使った、ホットなソースということだけれど、昔は辛党な私だったが、最近はそうでもなくなった。ちょっと迷うところだ。
 「みそダレ味」、さあ、これがちょっと想像がつかない。純正赤すりみそを使用ってことだけど、濃いみそ味だと、餃子の味をかえって損ないはしないだろうか。
 結局、無難に「マヨネーズ味」。
 餃子の焼き加減も固からず柔らかからずちょうどいい。
 もっとも、確かに一口サイズで小さいのだが、いくつか皮がくっついてて、二個、一緒に食べなぎゃならなかったりする。普通の大きさの餃子だったら、皮がくっついてても自重で離れるので、二個同時に頬張ることはせずにすむのである。小さくするならちゃんと離れるように焼けよな。
 けれど、味は、マヨネーズが餃子の香ばしさを引きたてていて、頗る美味。こりゃあとを引くねえ。
 フェアは2月末までらしいので、あと2回は来て、残りの味を確かめてみたいものである。

 「ひとくち餃子1皿ご注文ごとに、引換補助券1枚差し上げます。3枚集めれば、もれなく“ひとくち餃子一皿”をプレゼント」というキャンペーンもやってて、ちょっとほしくなる。
 餃子柄の皿なんて、手に入れてどうする、と言われそうだが、なんであろうとオマケには弱い性格なんであるよ。


 コンビニで、買い物ついでに『少年ジャンプ』を立ち読み。
 『ヒカルの碁』、とりあえず今週で一応の区切りということらしい。
 でも、原作者のほったゆみさんは、本来、ここで最終回にするつもりだったんじゃないかな。それを編集部から延長を要請されたってとこじゃなかろうか。
 「佐為編」終了、なんて書かれてるけど、じゃあ、次からは別の幽霊が現れるのか(^^)。まあ、そんなことはないだろうけど、ここですっきり終わってんだから、引き際を考えたほうがいいと思うんだけどねえ。
 結局、『ヒカ碁』もクソつまらんジャンプシステムの中に取りこまれちゃうのかなあ。そうならずに、更に面白い「第2部」を作ることが出来たなら、これは本当に漫画史上に残る名作になりえると思うんだけど。


 吉岡平『真・無責任艦長タイラー�ァ”�活編』(エンターブレイン/ファミ通文庫・672円)。
 表紙のアザリンちゃんとユーミ&エィミィは吉崎観音さんのイラスト、口絵と本文の挿絵は藤本秀明さん。
 基本デザインは吉崎さんなんだけど、やっぱり全然イメージが違うんで、ちょっと戸惑う。吉崎さんの女の子、みんな「ナナ」になってる。もうちょっと顔の区別がつくように描けないものかな。
 よく見ると、吉崎さんと藤本さんじゃ、ユーミとエィミィのホクロ&タレ髪の位置が違ってるぞ。マニアはそういう些細なところまで見るから気をつけておかないと。

 ようやく「パコパコ」だったタイラーの意識が復活。
 けれど、一度ロボトミー手術を受けた者が再生するって、ちょっとムチャじゃないか。まあ、「タイラー」にいちいちリアルを求めても仕方ないのかも知れないけど。
 前回も書いたけれど、最初の小説版は「ギャグ」だったからいい加減な設定も許せたのだ。小説としての完成度をあげようとして、フィクションとしての面白さを減じてる点、もちっと注意してほしいんだけどねえ。
 それはそうと、ユーミとエィミィが出て来た途端、私のアタマの中には、「かないみか」さんの声がポン、と出てきてしまった。どうしてもアニメにイメージが引きずられてるんだよなあ。アザリンは当然、笠原弘子だし。だからアザリンちゃんがタイラーに一糸纏わぬ姿でせまるシーンなんか、どうしても笠原弘子の声がダブって……ああ、イカンイカン、また妄想が。 


 マンガ、藤島康介『ああっ女神さまっ』23巻(講談社・460円)。
 ずいぶん前に買ってたんだけど、すっかり本の山の中に埋もれてて、読み忘れてた。
 螢一のとうちゃん&かあちゃんの登場だけれど、息子や娘に、桂馬さん・鷹乃さんと呼ばせる親ってのもちょっとなあ。
 「肩書きで呼び合うほうが個人の人格を認めていないみたいでいやだ」という理屈は、一応理解はできなくはないが、ムカッとくる読者もいるんじゃないかな。たいていの家庭じゃ「とうさんかあさん」と呼ばせてるんだろうから、これ、結果的にそういう家庭をバカにしてることになってんだけどね。
 もっとも、『女神さま』の作者も読者もそんなことに気がついてないってことなのかもしれんが(←おまえが一番バカにしとるわ)。
 そういう家庭環境を出すのならそれはそれでかまわんのだが、あまり簡単に「理由」を語らせるべきじゃないのだ。螢一自身がそういうバカなキャラクターだって思われるぞ。


 マンガ、和田慎二『ピグマリオ』8巻(メディアファクトリー・819円)。
 クルトの母は実は……というのが今回解ったヒミツ。
 ……ならガラティア母さんは? 
 実は同一人物とか、光の面と闇の面とか、生き分れの姉妹で子供を取りかえっことか、まあいろいろ理由はこじつけられそうだな。なんだかファンタジーというより、新派の田舎芝居みたいになりそうだけど。
 もしかして和田慎二、その場その場の思いつきで設定考えてないか? アスナスはどんどんマザコン野郎になってくし、マリウスはまんま十三代石川五右衛門になっちゃってるし。どう収集つけるつもりなんだか。
 新しく出て来たメデューサの三姉弟も、いかにもザコキャラっぽい。
 つーか、和田さんのマンガの弱点は、心底怖い敵を造型する筆力がないところなんだけど。おかげでどんなにクルトが敵に苦しめられても「こんなチンピラに主役がやられるわけないよな」という感想の方が先に立っちゃうのだ。
 しかも今度の敵、「天空の城」だと。
 ……ああ、なんて貧困なイメージ。それをまた大仰に描くからますます白ける。もう少しオリジナルなアイデアってものがこの人にはないのか。
 せめて、「ピグマリオ」の謎だけはキチンと解いてほしいもんだけどねえ。


 マンガ、水木しげる『東西奇ッ怪紳士録』(小学館文庫・750円)。
 奇人伝、というヒソカなジャンルがある。
 いや、ヒソカというわけではないが、歴史のオモテに華やかに登場してくるわけではないが、そのヒトの珍妙な性格や奇行などが自然、世間の言の葉に乗って、風評として伝わる。それを収集したものと言えばよかろうか。
 この発想は、おそらく司馬遷の『史記』の『列伝』あたりから、連綿と続いている伝統でもある。王侯貴族のような著名人よりも名もない人物にこそ目を注ぐ、対象は哲人・賢人である場合もあるし、ただの刺客である場合もある。風評がもとになっているためにその姿は虚実皮膜、しかしだからこそ面白い。たとえ虚偽が混じっていようが、「彼はこれこれしかじかな人物である」と世間が思いたい「理想の姿」がそこには描かれているのだ。
 それを確かめていく行為は、まさしく、民俗学や考現学や“裏”モノ見聞にも通じるものであり、唐沢俊一氏が『すごいけど変な人×13』を書かれたのも宜なるかな、であるわけだ。

 奇人、奇人を呼ぶ。
 水木しげると言う当代随一の奇人による奇人伝、これまでにも南方熊楠などを取り上げていた氏であるが、ついにと言うか当然と言うかようやくと言うか、本格的に奇人伝に乗り出したのが本書。これが現在の『神秘家列伝』につながるわけである。

 風来山人こと平賀源内(彼自身が奇人伝の最高傑作、『風流志道軒伝』をモノにしている。もちろん中味は実在の志道軒とはほとんど関係がない)。
 二笑亭主人・渡辺釜蔵。
 アドルフ・ヒトラー(水木氏がヒトラーの伝記を描くのは二度目だ。もちろん「奇人」としてのヒトラーを描くのである)。
 創作か事実も混じっているのか、アフリカ・サンガ村のボロタハム氏。
 フランスの妖怪城主シュヴァル。
 鳥人幸吉。
 この脈絡のないセレクションがスバラシイ。

 個人的に好きなのが水木氏を中心とした『貸本末期の紳士たち』。
 多分、昭和40年かそれより少し前の時代の物語。
 ちょうど私が物心がついたころのことだ。
 熱烈な水木ファンなら、『ゲゲゲの鬼太郎』ほかの水木マンガに登場するキャラクターが、実在の水木氏の友人たちをモデルにしていることをご存知だろう。

 つゆき・サブローこと杉本五郎氏(本名は露木三郎だそうな。ややこしい)。
 マンガ家でありアニメーターでありフィルムコレクター、古書コレクターとしても著名、かつ、唐沢俊一氏のお師匠さんでもある氏であるが、水木マンガに登場する時はあの「吸血鬼エリート(霧の中のジョニー)」。
 水木さんの似顔絵は実に大胆な線にもかかわらずそっくりなんだが、氏もホントに「エリート」そっくりである。水木さんのご友人の中では珍しくおカネもちであったらしい。
 氏のマンガで今、入手できるのは、『QJマンガ選書06・寄生人』(太田出版)しかない。しまった、まだ買ってなかったなあ。

 メガネで出っ歯の山田こと桜井昌一氏。
 私は、『悪魔くん(『千年王国』)』の蛙男も桜井氏がモデルじゃないかとニランでたが、桜井氏との会話の中から『悪魔くん』のアイデアが生まれたことを、今回、明かしている。「小切手は持っているが現金は持っていない」といういかにも胡散臭い貧乏クサさがいいなあ。このマンガは氏が兎月書房にいたころだろうか。夫婦喧嘩でよく奥さんに殴られてたみたいだ。

 マンガ家・宇田川マサオ。
 本編では「歌多川雅男」とちょっと名前を変えて登場。
 さすがにこのヒトのマンガは私も読んだことがない。『ばったり侍』というのらしいのだが、多分1960年前後に出版されて以来復刻はされてないのだろう。かつては紙芝居で当てておお金持ち、今は四畳半のド貧乏でも「希望」だけは妄想並みにある。それがかえってモノガナシイ。
 顔はまんま「妖怪いやみ」。この「いやみ」というキャラクターも水木さんはお好きらしく、三度も鬼太郎と戦わせている。

 ネズミ男・上田。
 『ねぼけ人生』によれば、「山田円太郎」というのが本名だそうだ。やっぱり少女マンガを描いたリしてたらしいが作品名は不明。ネズミ男の描いた少女マンガって、錯綜して入手したら結構な価値にならんかなあ。本編中ではやっぱり貧乏だが、後に印刷会社の社長に収まったそうな。成功したネズミ男というのも「合わない」ようだが、何となく果たせぬ夢が果たされたのかな、という気がして、ちょっと嬉しい。

 黒洋万平。
 名前を変えても容貌ですぐに分る、言わずと知れた「白土三平」である。
 『忍者武芸帳』が三千部売れただけで貧乏仲間から大富豪扱い、というのが笑っていいのか切ないのかってところだが、その怪異な容貌はやはり見るだけで「奇人」だとしか言えない。プラットフォームのベンチでホームレスのように眠ってたのも実話だったんじゃないか。

 つげ義春。
 このころ家賃を2年ほど溜めてたとか。
 水木さんのアシストをしていたというのは有名だが、女の子を描くのが苦手な水木さんの代わりに描くことも多かった。絵柄が変わっちゃって、今はつげさんもあのころの可憐な少女の絵は描けなくなっている。奥さんの佐々木マキさんと一緒になって、おカネもちにはなったようだけども。
 「つげさんどうして上にのびるんです」
「いま三畳にいますから。どうしても上と下にしか空間が残されていないのです。横は荷物でいっぱいです」
 だったら私も、上に伸びてたはずだが。大学時代はそんなとこに住んでたし。
 いや、子供のころは裸電球の下、親子三人で横に並ぶことも出来ず、父はモノ置きに寝ていた。タテにしか伸びようがなかったはずなのになあ(^_^;)。

 そうだ。
 あのころはみんな、みんなが貧乏だったのだ。
 貧乏だったけど、楽しい時代だった。水木さんのいうようにオモチロイ時代だったのだ。……だめだなあ、すっかりオジサンは昔を懐かしむようになっちゃったよ。
 涙。

2001年02月01日(木) だ〜れだ?/舞台『菜の花の沖』



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藤原敬之(ふじわら・けいし)